テレビ朝日の「ざわつく金曜日SP」で、日本語を流暢に話す人物なのに某国の外国人と決めつけて非難することは放送法上許されることなのか

テレビ朝日の「ざわつく金曜日SP」という番組で、某国の外国人が違法行為を行なっていることを取り上げていました。

番組によると、某国の外国人が江戸川で自然発生した牡蠣の身を取った後、殻をその場に捨てていく、また、東京湾岸の立ち入り禁止区域内で潮干狩りを行なっている、という内容でした。

牡蠣の殻については、もともと川から取った牡蠣の殻を、そのまま川に返しているだけです。

マナーの問題はありますが、出身国は関係のないことです。わざわざ国の名前を出して、悪意のある取り上げ方をする必要があるのでしょうか。

ここでは、違法行為を指摘すべきなのであって、違法行為をしている人の国籍は関係のないこと。

この番組の取り上げ方には、この問題を解決しようとする姿勢は全く感じられず、視聴率を稼ごうとする意図しか感じません。

BPOの、差別を禁止した放送基準にも、引っかかるのではないでしょうか。この内容で指摘されないとすれば、BPOは機能していないと言わざるを得ません。

出演タレントも気の毒です。スタジオ内のおそらく小さなモニターで流れる映像を見ながら、瞬時に辛口のコメントを述べなければなりません。

辛口で知られる出演タレントから、コメントを引き出そうとする、番組スタッフの悪意が見えてきます。

特定の人種を名指しして公共の放送で断罪する必要があるのでしょうか。

モザイクをかけて本人を写さずに放送しているからよい、ということにはなりません。

禁止区域での潮干狩りについては、さらにひどい。

日本語を流暢に話す人物なのに、全身にモザイクをかけて望遠レンズで撮影し、ナレーションであたかも外国人であるかのように印象操作する。

しかし、テロップでは、「〇〇人など」などと、わざわざ断りを入れる。

わざわざ「など」をいれるということは、日本人か外国人か、本人に確認をとっていないはずです。何しろ望遠レンズでかなりの遠方から撮影をしているのですから。

某国の外国人だけが違法行為を行っているのでしょうか。そうとは思えません。証拠も示されていませんでした。

しかし、番組の流れでぼーっと見ている限り、見ていた多くの人たちは、両件ともに某国の外国人の行なったことと受け止めます。

出演タレントもそう受け取ったようです。

特定の人種名をあげて中傷していました。見ていた人たちも、某国の外国人はひどいやつらだと、思ったはずです。

このようなひどく雑な番組づくりは、その前に自分たちが、番組内で取り上げていた動画サイトなどではよく見られることです。

公共の電波を使って放送をしている以上、番組プロデューサーは、内容に問題がないか、事前にスクリーニングを行うべきです。

直前にその出演タレントは、「テレビ番組にはネット動画と違って、信頼性がある」とも語っていました。

そのテレビ局自身が信頼性を踏みにじるような番組作りをしているのですから、ジョークにしか聞こえません。

差別を煽るような編集をスタッフにさせるべきではないし、もしも取り上げるのであれば、しっかりと証拠を提示して、問題提起まで行うべきです。

動画サイトの取り上げ方についても、このようなひどいことをしている、と指摘しながら、確信犯的に、善意の人を装い、危険な動画の一部始終を放送しています。

このように、言い訳をしながら、問題動画を放送するあたり、番組スタッフは、問題であることがわかった上で、視聴率を上げようと企み、番組を作っているとしか思えません。

もしも、危険な行動を本当にやめさせようと考えるのであれば、危険な動画を放送して、動画製作者の承認欲求を満たすことに加担しないようにすべきなのです。

にもかかわらず危険動画を放送する。

問題動画を放送して、ネット動画の人気に便乗して視聴率を取ろうとする、番組スタッフの意図がはっきりとわかります。

番組の内容を見る限り、かなりの確信犯的スタッフで作っていることを感じたわけですが、これがまた、テレビ朝日というところでまたびっくり。

この番組のあと、ニュースステーションが放送されるのです。

ニュースステーションのスタッフは、放送法上の問題がある、このような雑な番組を放送すべきではないと、バラエティー番組の制作スタッフに、申し入れをすべきです。

テレビ朝日のニュースステーションも同様の乱暴さで制作されているのかと想像してしまいます。

このような放送を流して、番組スポンサーからのクレームがでないこともまた不思議なこと。きっとスポンサーも同じような程度の人権意識をお持ちの会社なのでしょう。

久しぶりに気分の悪くなる番組を見てしまいました。