電子書籍は超ロングテイルで売れ続ける

電子書籍の世界

アマゾンの電子書籍リーダー、キンドルの出現直後くらいから、ほぼ同時期に、電子書籍の出版が個人でも簡単にできるようになりました。 

フリーのライターの場合、編集者から発注を受ける必要があります。

しかし、電子書籍の場合、編集者も出版社も自分一人。

好きなことを書いて、それを読んでいただくことが、たった一人で出来るようになりました。 

圧倒的印税

今までであれば、原稿料を一回受け取ればそれで終わり。

ところが、電子書籍の場合、毎月毎月、読まれた分に応じて印税が振り込まれます。

まだ電子書籍の良さが浸透していないため、マーケットは小さなものです。

しかし、テレビとネットの広告費が逆転したように、近い将来、紙の本と電子書籍の関係性も確実に逆転します。

電子マンガが先行しているとは言え、電子書籍のマーケット全体で、前年比十パーセント以上の伸びを継続しているようです。

既存の出版社が電子化に抵抗を見せる中での前年比十パーセント以上の伸びですから、ユーザーのニーズに強いものがあるということがわかります。

一度電子書籍に慣れてしまえば、もう手放せなくなるのは、ガラケーからスマホへの乗り換えのときと同じだと思います。

世界各地

その印税も、日本だけではなく、世界各地からの売上をもとに現地通貨で計上されます。

私は日本語で書いているので、日本以外の地域からは数えるほどですが、英語で書くことができれば、マーケットは数倍にも拡大します。

台湾に赴任している友人と日本で会ったときに、読んだよ、と言われました。

世界中どこにいても簡単に購入して読める、というのは、紙の本にはない強みです。

英語で書くことが出来る人であれば、日本語で書かずに英語で書いて、自身で直接販売する、ということも可能になります。

常に売れ続ける

一般の書店で販売すると、販売後しばらくすれば、店頭から撤去ということになりますが、電子書籍は置き場に制限がありません。

販売されている限り、ずっと読まれます。

読まれるものと、読まれないものの差ははっきりと出ますが、毎日必ず日本のどこかで、私の書いた文章を読んでくれる人がいます。これは、本当に嬉しいことで励みになります。

図書館、古本への印税対策

紙の本で最も困るのが、古本からは印税が入らないということです。

物、としての性格もあるので、致し方ないことではありますが、図書館などへ収蔵されれば、本が壊れない限り、永遠と読み継がれることになります。

書き手としては、図書館に収蔵されることは名誉なことだし、何よりも多くの人に読んでいただけるということが、最も嬉しいことだとは思いますが、生活に困窮する作家が多数を占める中で、多少なりとも印税が作者に入る仕組みが作れないものかと思います。

やがて駅のようになる

駅といえば、電車が止まるところですが、本来は街道筋で馬が休むところ。

明治の時代に機関車が走るようになってからは、駅といえば電車の駅になってしまいました。

しかし、平成の始まりとともに、道の駅、という街道筋の休憩スポットが、生まれ変わって誕生しました。

今は本といえば、紙の本ですが、やがて、本といえば電子書籍を示す時代がやってくることでしょう。

そして、もう百年もすれば、本といえば電子書籍で、紙の本は、紙の本と、区別して言われるようになっているかもしれません。

図書館も電子リーダーがずらりと並び、紙の本は貴重品として閉架式の棚の奥にしまい込まれるようになることでしょう。

その頃には、図書館も本を提供する場所ではなく、情報を確認する場所として生まれ変わっていることでしょう。多少なりとも印税が、作者に支払われるようになっていることを祈るばかりです。