東海道五十三次十八日間一人歩き ルートとホテル選び ①



私の東海道五十三次

夏の終わりの九月から十月にかけて、十八日間ひとりで東海道を歩きました。自宅が東京にあるので、日本橋から出発。京都まで歩くことにしました。

東海道を歩くことは、子供の頃からの夢でした。小学生の頃、弥次喜多道中のお話を知って以来、自分もいつか通して歩いてみたいと考えていました。しかし、しごとや子育てで忙しい時期には、なかなか時間が取れませんでした。

五十歳を超えてからは、体力も徐々に落ちていくことを感じていました。

人生百年時代。折返し地点の五十代でなにか、記念になることをしてみたい。

そう考えていましたが、ようやくまとまった時間が出来ました。これを機会に、東海道五十三次の一人歩きに、挑戦することを決めました。

天気は重要。難しさは天候や季節に左右される。

私が歩いたのは九月の中旬から十月の上旬にかけて。この季節はまだ夏の余韻が残り、連日三十度を超える暑い日が繰り返し訪れました。

暑い季節は、体力を消耗します。汗で大量の水分が失われていきますので、飲み物を頻繁にとる必要があります。自動販売機を常に探しているような状態で、コンビニがオアシス代わりの休憩所となります。

また、台風シーズンであるため、その影響から秋雨前線が停滞し、連日雨にふられるといった、影響も受けました。

可能であれば、四月ころの桜咲く季節。または台風が落ち着いた、十月中旬以降が良いのではないかと思います。

もちろん、旅に出られるタイミングというものは人ぞれぞれです。

難易度に違いはあっても、東海道の良いところは、基本的にはどのシーズンであっても、可能である、ということだと思います。

中山道の場合、山間地域を歩くことになるため、真冬などは、雪の影響を受けて、歩くこと自体が難しくなると思います。

しかし、東海道であれば、基本的にほとんどのルートが舗装路となります。多少の雪が降っても、京都まで歩き通すことはできると思います。

一日三十キロまでがおすすめ

一日に何キロ歩けるのか、ということは皆さん気になると思います。

江戸時代の旅人は、一日十里、つまり四十キロ歩いたそうです。しかし、連日四十キロ歩き続けることは、かなり大変なことだと思います。

年齢や体力にもよりますが、一日三十キロくらいが、ちょうどよい気がします。

しかし、途中、観光地にも寄りながら歩きたい、と考えているのであれば、一日二十キロ前後ということにもなろうかと思います。

目安となるのは、時速四キロ。アップルウォッチで全行程を記録しましたが、早いときで時速六キロ。疲れ果てた一日の終わりなど、遅いときには時速四キロ未満ということもありました。途中の休憩なども考えれば、目標平均時速は四キロと考えるのが無難ではないかと思います。

フルマラソンに出場したり、日頃から、山登りで縦走などをされているかたであれば、もっと早いペースで考えられると思います。あくまでも、五十代の一般男性である私を目安に考えた場合、ということです。

ちなみに時速四キロで一日八時間歩くと、歩行距離三十二キロということになります。朝の八時から、昼休みを一時間とって、夕方五時まで歩けば、一日の歩行距離は三十二キロになります。

もしも観光をするのであれば、そこから、見学に必要な一、二時間を、差し引くことになります。その場合には、時速四キロで、六時間歩き、一日の歩行距離は二十四キロ、といった計算になります。

以上の計算からも、一日に四十キロ歩くことは大変だ、ということが想像できるのではないかと思います。

東海道歩きでホテルの心配はない

気になるのは、ホテルのことです。都合の良いところにホテルはあるのでしょうか。

結論から言うと、東海道の場合、全く心配はありません。

明治以降、東海道沿いに鉄道が敷かれ、その後、東海道本線沿いに街が発展してきたといった経緯があるので、泊まる場所に困ることはありません。

少なくとも、新幹線の駅がある街には、ビジネスホテルが数多く建っています。注意が必要なのは、観光地と週末です。

例えば、箱根のような宿場町では、ビジネスホテルに泊まることが出来ません。一般の観光客用に作られたホテルばかりなので、どのホテルも一人一泊一万円以上見込まなければならないでしょう。

箱根に宿泊せずに通過しようとすれば、箱根湯本か、小田原あたりに泊まることになります。次の宿泊地も、三島か沼津になります。

箱根の峠がありますので、平坦な道を行く場合とは、違います。距離も、峠道にもかかわらず、小田原から沼津まで三十七キロもあります。これは地図上の距離なので、実際に歩く距離は一割ほどは増えると思います。

私の場合、宿泊費は高くつきましたが、小田原は通過して、箱根湯本に泊まり、翌日箱根峠を越えて、三島まで歩きました。

箱根湯本から三島までだと、地図上の距離は二十五キロですので、峠道でも無理のない距離になります。

しかし、実際のところ、当日は雨が降り、路面がツルツルに滑り、かなり怖い思いをして歩くことになりました。三島のホテルに付いたときには、疲れ果てていたことを覚えています。

また、観光地に近い街での週末の宿泊も観光地同様の注意が必要です。平日は空いているのに、週末に限って、満員ということがあります。

しかし、一方で、ビジネスホテルの場合には、週末だけ安い料金を設定して、かなりお得になるというケースもあります。

宿泊を予定している街の性格によって状況は変わります。早めに計画を立てて、実際の予約状況を確かめてみることをおすすめします。

予約サイトで全て予約。キャンセル料なしを選ぶ。

ホテルの予約は、出発前に京都まで通しで、すべて予約しました。

ホテルの予約サイトはさまざまですが、私は楽天トラベルを利用しました。

最初は、サイトを決めずに、安いところを探して順番に予約していったのですが、十八日分となると、管理が大変です。途中でどこまで予約したか、訳がわからなくなりそうになりました。

このままでは、予約漏れが発生すると、途中で気が付き、その後は、なかなか予約が取れなかった箱根湯本の温泉旅館を除き、その他の地域については、楽天トラベルだけで、すべてを予約しました。

重要なのは、取消料がかからずに、予約がキャンセルできるホテルを選ぶことです。

旅の途中でアクシデントがあったときには、次の街まで移動ができなくなります。

ホテル予約サイトによっては、三日前くらいに決済されるサイトもあります。しかし、キャンセルが必要になる事態は、たいてい前日のギリギリのタイミングになってから判明するということがほとんどだと思います。

できるだけ、当日までキャンセルができるようなかたちで、予約をしたほうが良いと思います。

結果的に、キャンセルが必要になる事態は起きませんでしたが、途中台風の直撃を受けましたので、そのときには、真剣に次の宿をどうするか、歩きながら考えていました。

連続して泊まり歩く場合には、次の宿の予定が狂うと、それ以降の予定も全て変わることになります。

そのようなときでも、スマホから簡単に予約が変更、キャンセルできることは重要です。

そのためにも、予約サイトは一つにまとめて、すべての行程を一覧して、漏れがないように確認できる事が重要です。

一つのサイトで管理することは、緊急時のリスク管理方法として、重要になってくると思います。

ホテルの予算は一日五千円

気になる宿泊費の予算は、一日五千円程度です。安いところで、三千円。箱根湯本などは一万円かかりましたが、少し高めのビジネスホテルでも七千円ほどでした。

特に東海道の箱根を除く、神奈川、静岡、愛知、三重は中京、東海の工業地帯なので、泊まれるホテルがない、ということはありません。

また、ホテル間での競争が激しいため、値下げ競争も厳しいようで、宿泊プランを比べてみれば、百円単位で値段を競っている感があります。

宿泊プランは、朝食付き、二食付きなど、プランはさまざまですが、朝食付きが便利です。

ただ、四十キロ前後歩く日などは、早朝五時に出発する場合もあるので、朝食が別料金の場合には、食べずに出発しました。

その場合は、コンビニでおにぎりなどを買っておき、出発前にささっと部屋で食べたりしていました。

朝食を食べると、出発が早くても八時ころになります。すると、一日の歩行距離は三十キロくらいがちょうどよい距離となります。

冬になると、日没が十六時過ぎにもなります。

東海道は都市部を外れると、歩道やガードレールがないところも多いので、安全のためにも、できるだけ明るいうちに宿泊先のホテルへ到着するように、心がけるべきだと思います。

洗濯の問題

毎日歩き続けていると、洗濯の問題がでてきます。替えの服を持てば持つほど、荷物は増えていきます。

ホテルに着いてから、最初にすることが洗濯です。何しろ次の日の朝までに乾いていないと、ザックに詰めるため、細菌が繁殖して、服が臭うようになります。

その点、最近のビジネスホテルには、たいてい洗濯機と乾燥機が置いてあるので便利です。洗濯機は三百円、乾燥機が二百円程度かかります。中には乾燥機は無料というホテルもあります。洗剤は、無料で使えるものが置いてあったり、三十円程度で購入するホテルもありました。

洗う量は、一日分の服なので、手洗いでも可能ですが、歩き疲れたあとの洗濯はけっこう大変です。初日は自分で手洗いしていたのですが、二日目から方針を変えて、洗濯機と乾燥機を使うことにしました。

洗濯機と乾燥機は、十分な台数をおいていないホテルもあります。また、別の人が使用したあと、洗い終わった洗濯物が放置されているケースも有り、困ることがありました。

その場合、ホテルのフロントの人に言えば、中身を取り出して、開けてくれたりします。

しかしながら、そのようなことをお願いすることも、疲れ果てた状態では面倒に感じるので、出来るだけ早くホテルに到着するように、日々心がけていました。

東京と京都はホテルが高い

東京と京都は宿泊費が高いので、泊まり方にも工夫が必要です。

私の場合、東京に自宅があるので、当日の朝、日本橋まで向かえばよいのですが、他の地域からでてくる場合には、どこかで宿泊する必要があります。

その場合、川崎や横浜など、一日目に宿泊する予定のホテルに宿を二泊取り、横浜や川崎から電車で出発地の日本橋に向かうと、宿泊費が節約できると思います。

東京や千葉、埼玉など、日本橋まで電車で向かえる近郊の方は、朝の通勤ラッシュがやっかいです。

朝早く、六時前に家を出れば、七時ころには日本橋を出発できるかもしれません。

しかし、朝の日本橋で大きな荷物を背負って歩くことは、人の波をかき分けることになるので、大変かもしれません。

朝早く出発することを避けるのであれば、家で少しゆっくりして、ラッシュの終わる朝九時ころに家を出て、日本橋出発を十一時ころにする、という方法もあります。

この場合、一日の歩行距離が短くなり、初日の宿は、横浜にもたどり着けず、川崎に泊まる、ということになるかもしれません。

私の場合には、ラッシュを避けたため、川崎が一泊目となりました。

一方、京都の場合、週末は宿泊費が高い上に、予約もなかなか取れません。そのようなことからも、おおよその行程を想定したら、京都のホテルをまず予約しておくということが重要だと思います。

東海道を歩く場合、三週間近く前に東京を出発することになります。準備期間も含めた、ひと月前であれば、まだ京都のホテルは予約ができる状況にあると思います。

しかし、連休に到着する予定の場合には、ひと月前の予約でも難しいかもしれません。到着日を連休の一日前に変えるような工夫が必要となってきます。

また、東京で近隣の川崎や横浜に前泊するのと同様、草津や大津、彦根などの、電車で一時間以内に到達できる周辺都市に足を伸ばすこともできます。

しかしながら、せっかくの東海道歩きです。できれば到着の晩は、京都の夜をしっかりと味わい、翌日には、京都御所や二条城などに、宿から歩いて向かいたいところです。

十八日間歩いて到着した京都の街は格別で、新幹線で二時間あまりで到着したときとは、受ける印象の深さが異なります。

歩いて京都へ行くことは、おそらく一生で一度あるかどうかのイベントだと思います。多少宿泊費が高くても、京都市内で二泊はして、東海道歩きの余韻を楽しまれたほうが、良いのではないかと思います。

予備日の作り方

時間があれば、途中で予備日として、歩行距離を二十キロ程度にする日を設けても良いかもしれません。

旅の途中、雨が降ったり、ケガをしたり、様々なアクシデントに見舞われる可能性があります。

私の場合は、まず東京まで簡単に引き返せる、箱根までをワンブロックとして考えました。箱根までの間であれば、簡単に数時間で東京の自宅まで帰れます。

箱根まで、四十キロずつ歩けば二日で小田原まで歩けます。もしももう一度東海道を歩くことになれば、私も一日目を戸塚にするかもしれません。

しかし、歩き旅は今回が初めてでした。余裕をみて、三日かけて箱根湯本まで歩くことにしました。

結果的に、足に数カ所のマメができたり、雨が連日降ったりと、悪条件が重なりました。箱根の山まで、三日をかけたプランにしておいてよかったと思いました。

箱根から鈴鹿峠までは、平坦な道が続きますが、一日三十キロ前後を目安にプランを組むとよいでしょう。

薩埵峠、宇津ノ谷峠、小夜の中山など、ちょっとした峠道や、みどころは数多くありますので、あまり先を急ぐのももったいないような気もします。

と言っても、最終的には京都まで歩いて到着することが、東海道歩きの目的になると思います。見どころをじっくりと見ることは、またの機会にしたほうが良いかもしれません。

実際のところ、毎日三十キロ、四十キロ歩いていると、観光気分にはなかなかなれないものです。

どちらかといえば、東海道歩きは、超長距離のひとりマラソンを毎日繰り返すことに似ていると思います。

おすすめのホテル

十七泊ホテルに泊まりましたが、なんといっても、ベストのホテルは、チェーンホテルのスーパーホテルです。

まずその清潔感。部屋の入口を入ったところで靴をぬぐように設計されているので、部屋の中が清潔です。

また、チェックインの時間を早めにしてくれることも魅力の一つです。

疲れ果てて到着したホテルで、チェックイン時間まで、汗で汚れた格好のまま待たされるのは、気分の良くないことです。

スーパーホテルの場合、二時にホテルに到着したときでも、嫌な顔ひとつせずに、そのままチェックインを受け付けてくれました。雨でびしょ濡れの状態で、早くシャワーを浴びたいときには本当にありがたいものです。

また温泉が無料です。枕も自分の好みで選べます。乾燥機もほとんどのホテルが有料の中、スーパーホテルは無料でした。

部屋の鍵が暗証番号であるため、チェックアウトのときも、手続きで待たされることがありません。

朝食がヘルシーなのも素晴らしい。朝食がサービスで付いているビジネスホテルは多いのですが、サラダなど、新鮮な食材が数多く並び、一日の歩き始めに、ピッタリのメニューが並んでいました。

スーパーホテルは、周辺のホテルよりも、少しだけ、数百円から千円くらい高かったような気がします。しかし、その差額であれば周囲の他のホテルと比較しても、スーパーホテルがおすすめだと思います。

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