東京港区の公立は東京都のモデル校がズラリ:ひのきの校舎もインターナショナルスクールもある 



港区は子供のための施設が充実

港区南青山の児童相談所の建設が大きな問題となっています。場所柄、ニュースになりやすいのだとは思いますが、実際に騒いでいるのはごく一部の方々と思います。

港区は都心にあり、子供の遊び場があまりない地域です。

そのため、子供のための施策に力を入れている印象があります。

今回騒動のきっかけとなった、児童相談所に限らず、中高生プラザと呼ばれる、子どもたちが集まる場所もあり、大人の街という印象とは別の、子育てに優しい場所、といった面があります。

残念ながら、郊外にあるような広い野原で走り回ることは出来ませんが、代わりに中高生プラザや、充実した図書館のような、大人の目が行き届いた公共施設の中で、楽しく放課後を過ごすことが出来るような工夫がされています。

港区にはモデル校がズラリ

港区の住居費が高いことは周知の事実ですが、子供にかかる教育費を考えると、じつは割安な面があります。

港区の学校は都心の便利なところにあるため、公立学校のモデル校になることが多いのです。

国立の附属校が文部科学省の実験校とすれば、港区立の学校は東京都教育委員会から見た、実験校になりやすいのではないかと思います。

ひのきでできた高陵中学校

例えば、港区立高陵中学。築数十年を経ても資産価値の下がらない、広尾ガーデンヒルズの目の前にあります。広尾ガーデンヒルズは渋谷区にあるので、住んでいたとしても高陵中には通えません。

評判は渋谷区にも伝わっていて、広尾ガーデンヒルズに住んでいる友人が、目の前なのに通えないと、残念そうに言っていました。高陵中は広尾駅から歩いて数分の西麻布にあり、渋谷区と港区の境界に建っています。蛇足ですが、デビ夫人の母校です。

老朽化のため、数年前に新築校舎に建て替えられました。学校の建物といえば、鉄筋コンクリートの無骨な建物が思い浮かぶと思いますが、高陵中の内装は、多くが木材で出来ています。

中に入ると、ひのきの香りがして、とても安らぎます。自然から遠く離れた都心の一角で、このような木材がふんだんに使われた校舎は貴重です。子どもたちの気持ちに与える影響は大きいのではないかと思います。

港区には数多くの有名私立中学校がありますが、それらの校舎と比較しても、高陵中は子どもたちの成長に影響を与える建築資材について、とても配慮された校舎になっています。

文部科学省からエアコン設置費用も出してもらえない国立大附属と比較したら、港区の公立学校のほうが、圧倒的に施設は充実しています。

公立の東町・インターナショナルスクール・小学校

他にも、インターナショナルスクールのモデル校として整備された東町小学校があります。一時は学年ひとクラスにまで生徒が減り、廃校寸前となった小学校です。

しかし、公立のインターナショナルスクールのモデル校として選定されたところ、今では人気校の一つとなっています。

私立の西町インターナショナルスクールは、むかしから有名で元麻布のゴーンさんの自宅前にありますが、区立の東町インターは坂を降りた麻布でも庶民的な場所に建っています。

港区でインターナショナルスクールに通うとすれば、大から小までさまざまではありますが、例えば、年間220万円ほどの学費がかかります。ところが、公立学校なら、無料です。

6年間で1300万円の学費がかかることを考えれば、不動産価格が1000万円くらい高くても、十分にもとが取れます。子供が二人なら2600万円。三人なら3900万円かかるところ、無料というのは、港区の南麻布周辺に住んでいることの大きなメリットです。

子供の学費は払えば、銀行口座から消えてなくなりますが、不動産への支払いであれば、資産として残ります。

おまけに、学費は子供の成長に寄与します。

一人1300万円の教育費を支払わなくて済む上に、資産まで増える。

私の家を購入してくれた方は、そのように購入の意図をおっしゃっていました。

人気小学校は青白赤のトリコロール 青南、白金、赤羽

港区の人気小学校は、むかしから、青、白、赤のトリコロールで表現されていました。

青南小学校、白金小学校、赤羽小学校です。

青南小学校は、児童相談所騒動の舞台となっている南青山にある小学校です。今回このような形で南青山が取り上げられてしまったのは残念です。

南青山は、住宅街の隅々にまでお店が立ち並び、いまでは住宅街というよりは、ほぼ商業地区となっています。

南青山はモードの中心地でもあり、港区の中でもとくにきらびやかな印象があります。

同じ南青山でも、国道246号線を境に表参道寄りの青山と麻布よりの青山で少し雰囲気が異なります。麻布よりの南青山七丁目までくると完全な住宅街で、今回の騒動とは一線を画した落ち着きがあります。

白金小学校は、明治学院から坂を少し降りたところにあります。周囲は完全な住宅街です。青山や麻布に比べると、住居費も安く、住みやすい地域になります。

白金高輪にある、旧高松宮邸に隣接する高松中学校は、高陵中と並ぶ人気中学校です。白金小学校から高松中学に入りたいがために、白金に引越す人もいると聞きます。

実際に、高陵中、高松中とも、卒業後は、開成、早慶などの高校へ進学する生徒が毎年のようにいますので、中堅の私立中学へ通うのであれば、公立で良い、ということになるのでしょう。

赤羽小学校は、三田のイタリア大使館、オーストラリア大使館近くの高台にある小学校です。都立三田高校と隣接しています。

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の舞台となった地区の少し北側で、人情味あふれる地域です。

田町の駅から延びる、むかしからの商店街、そして北西には、東京タワー、増上寺といった東京観光の有名スポットが近くにあります。

港区はセレブよりも子供を大切にしている

セレブな街の印象ばかりが強くなっている港区ですが、実はこどもを大切にしている地域です。今回児童相談施設を作ることになる根底には、少子化対策を地道に行ってきた区の方針があるのだと思います。

不動産価格が上がり、都心回帰と言われていますが、港区の地道な努力の成果といった面もあります。この点には、もう少し目を向ける必要があると感じます。

港区が地道に子供のための施設を作り、それを魅力に感じている人たちが、高い地価にもかかわらず、周辺地域から引越してきた。

そう考えれば、全国に先駆けて成功した、港区の少子化対策の象徴的な施設として、それも、モードの中心地である南青山に児童相談施設を建設することの意義は、とても大きいと思います。 

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高陵中学校の内部の様子はこちら

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