賃貸マンションが良いか分譲マンションが良いか

管理組合の運営が大変な分譲

家を買うか借りるかは永遠のテーマですが、それぞれ良し悪しあります。どちらも経験していると、どちらが良いのか本当にわからなくなります。

分譲マンションは所有者で管理組合を結成して、管理を行います。実際には管理会社がその運営をしますので、日々の運営自体はそれほど大変ではありません。

しかしながら最終的な責任は所有者にありますので、全ての出来事に対して責任が伴います。

その住民のほとんどが自分の持ち物として、大切に住むことを意識していたとしても、その意識の程度は家庭によって様々です。玄関先に荷物を積み上げている家庭もあれば、自転車を置く家庭もある。

それによって、マンションの価値が毀損しますが、長く住むつもりのひとは特に気にもかけません。価値が下がるということを考えるよりも、今を快適に過ごすことを優先します。

しかし、見学者がその玄関前を通過して隣近所の見学に訪れることがあれば、そのマンション全体の印象が悪くなり、売れにくくなり、最終的にはその隣近所の家の価値も下がることになります。

結局、住居を資産として考える人と、消費財として考える人の割合で、そのマンションの管理レベルが決まってきますので、消費財として考える人が多ければ多いほど、売るときには売りにくくなる、ということになります。

大家によって変わる賃貸の退去費用

その点、いつでも出入り自由な賃貸物件は、管理責任がないため気軽に住むことはできます。しかし、そのツケは最後の退去時に表面化します。

大家さんが余裕のある人であれば、さほど問題もなく清掃費用程度の出費で退去できますが、悪質な大家であれば敷金にさらに上乗せをして、修繕工事費用などを請求してくることがあります。

特に、分譲マンションを購入したものの、低い運用利回りで貸し出している部屋などを借りてしまうと、退去時に揉めることになりそうです。

それが日常生活で自然発生する程度の汚れの範囲であれば、壁紙の交換費用などを請求することはできないことなどが、国土交通省のガイドラインなどによって示されていますが、敷金を人質にしている大家は、その手持ちのお金をどのようにもできてしまいます。

最終的には泣き寝入りすることが多いせいか、かなり以前から、ルールが定められているにもかかわらず、相変わらずトラブルが発生しているようです。

売却時には問題の起きにくい分譲マンション

分譲マンションの場合、売却しなければ、普通は退去することができません。現金一括払いで購入できる人はなかなかいませんので、大抵の場合には、売却してローンを一括返済してから、新しい家に住むことになります。

家を売却するときには、お互い確認の上、合意して契約書に押印しますので、揉めることはあまりありません。

しかし、売却できるまでには長い道のりが必要で、どんなに良いと自分が思っている物件でも、欲しいと思う人がいなければ売却できず、どんなに安くしたとしても、買う人がいなければ、売ることができません。

日本のサラリーマンを会社に繋ぎ止めるための制度が、住宅ローン制度だという人もいるくらい、家を売って引越すことには時間がかかります。家の売買はすぐに決まることもありますが、賃貸と比べれば、比較できないほど大変です。

公社公団公営で借りる

民間の賃貸住宅で理不尽な扱いを受けた後で、公的な住宅を借りて住むと、実に安心して住めることに気がつきます。

新しい建物であることはほとんどありませんし、民間の分譲マンションと見た目を比較すると、かなりグレードダウンした印象を受けます。しかし、その内装は、大変綺麗に仕上げてありますし、退去時にも過大な請求を受けることは、ほとんどないと考えられます。

建物周りの清掃は、しっかりと行われますし、修繕費用を追加で支払うこともありません。基本的に全ての費用が家賃から支払われます。

働いている人たちも、自分たちの成果が給与に反映される歩合制ではないので、定められたことを黙々とこなすため、トラブルが起きたとしても、事務的に組織の費用で処理をしてくれそうです。

マンション価格の高騰で賃貸の方が安い

最近の不動産価格の高騰で、購入してローンを支払うよりも、賃貸の方が安いということが起きています。

以前は、住宅ローンを組んで支払った方が、賃貸で借りるよりも月々の支払いが安いということが多かったのですが、最近は住宅価格が上がりすぎて、購入した方が高くつくような状況になっています。

もちろん購入した場合には、ローンを完済すれば、それ以降は住居費が掛からなくなるので、そのほうが安心ですが、実際には修繕費などがかかり、また、築40年の住宅がなかなか売れず処分できずに管理費だけがかかり続ける、という事態が待っていたりします。

一生払い続けるか、不良物件を残すか

賃貸は一生賃料を払い続けなければならないというプレッシャーはありますが、売れなくなった不良物件を子孫に残すという、困った事態は避けることができます。

特にこれからは少子高齢化がますます進み、人口が減り住宅の必要数が減少します。古い家には誰も住みたがらず、郊外の物件になればなるほど、買い手がつかなくなることでしょう。

もしもそのようなところに家を持っているのであれば、もはやそこから一生出ていくことはできなくなります。それでも良いと、考えることができるのであれば、その地に文字通り骨を埋めて、不良資産を孫子の世代まで引き継いでもらうことを考えるしかありません。

六本木ヒルズか公営住宅か

そう考えると、築100年経っても、壊れない頑丈でかつ誰もが住みたいと思う立地に建つ超高級マンションか、全ての管理を公的な組織が運営してくれる公営住宅か、そのどちらかが良いのではないか、という考えに至っています。

URは家賃の100倍の預貯金があれば、無職でも部屋を貸してくれるようなので、家賃十万円程度の部屋を、1000万円の貯金を用意して住み続けるという方法もあります。

家賃も探せば6万円くらいからあるようなので、600万円程度の貯金があれば、年を取ってからでも貸してもらうことができます。600万くらいなら、誰でも頑張れば貯めることはできるのではないでしょうか。

ただ最近URが広告をテレビで流しているせいか、家賃が高いところで固定されているような気がしています。一人当たり数千円程度は賃料にCM代金が上乗せされているような気がするので、あまり広告費を無駄にかけて欲しくないと思います。将来お世話になる可能性が高いので、ぜひその点はお願いします。