大江戸線大泉学園町駅までの延伸で駅近物件価値が上昇する
目次
4.5キロの内2キロの道路工事が完了
都営地下鉄12号線が大泉学園町まで延びるという話は、50年前から存在していましたが、まるで現実味を持たないまま月日が流れてきました。都営12号線という名称が大江戸線と名を変えてすっかり馴染んだあとも、光が丘から先に伸びる気配を、まるで感じることはありませんでした。
しかし、地下鉄がその下を通る予定の補助230号線の道路用地買収も、残り数えるほどという状況にまで進んでくると、いよいよ実際に地下鉄工事が始まるかもしれないと、期待が持てるようになります。
大江戸線の駅と駅の間隔は約1.5キロですが、光が丘から最初の0.8キロについては、すでに地下鉄車庫への引込線が存在しています。
また、次の駅予定地である、土支田駅(仮称)までの0.7キロと、その先の0.5キロについては、道路の整備が完了しています。つまり延伸予定の4.5キロのうち、約2キロの道路工事はすでに完了しているということになります。
2019年末には残り1.5キロに
2019年度中には、その次の大泉町駅(仮称)までの補助230号線区間の道路工事が進む予定です。2019年度中はオリンピックのための工事に建設用の人や機械が優先的に供給されていると思いますが、2020年になれば、オリンピック関係の工事も終わり、いよいよ大江戸線工事に注力できる環境が整います。
補助230号線の車の流れも大きく変わっています。環状八号線につながる笹目通りまで、毎朝五百メートルほどの渋滞が発生するようになってきました。
大泉学園町方面から目白通りを経て都心へ向かっていた車の流れが、補助230号線経由に流れている状況が伺えます。
上昇が予想される新駅周辺の不動産価格
気になるのは地下鉄整備による不動産価格の上昇です。
下記は不動産コンサルタントの田中歩さんの調査データに基づく日経STYLEの記事です
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実際には、諸条件により大きく変わりますが、あくまでも参考値として記事の数値をもとに試算してみます。
70㎡で価格5000万円のマンションが、光が丘駅から1.5キロの距離にあったとします。徒歩1分延びると、1㎡あたりで12,634円価格が下るということです。
つまり、70㎡であれば、1分遠くなるごとに884380円価格が下る、ということになります。
仮に、1.5キロ離れたマンションの真下に駅ができるとします。徒歩1分あたり80メートルとして計算すると、約18.75分かかることになります。
1分884380万円✕18.75分=1658万円の違いが生まれます。
仮に光が丘駅の次の駅予定地である土支田駅(仮称)の上にマンションがあるとすれば、大江戸線が開通したと同時に、現在5000万円のマンションと同じものを新築で販売すれば、6658万円になる、と予想できます。
これは2017年の不動産価格をもとにしたものであり、同じ場所でデータを測ったわけでもないので、あくまでも記事のデータを使って、大胆にざっくりとシュミレーションしてみた場合、となります。
5000万が5年後に4500万、10年後に4100万円に
次に、もう一つのデータで、劣化による価格の下がり方を見てみます。
都心7区のデータではありますが、1年劣化するごとに、2017年の場合、1㎡あたり、12618円ずつ価格が下る、ということになっています。郊外であれば、下落幅は、より大きいかもしれません。
つまり、70㎡であれば、一年経つごとに、だいたい883260円ずつ値段が下がっていくということが想定できます。
70㎡のマンションであれば、現在から5年後には441万6400円値段が落ちている、ということになります。10年後であれば、883万2600円の下落になります。
この数字を、仮に練馬区の物件に当てはめてみれば、70㎡で5000万円のマンションが、少なくとも5年後には4500万円、10年後には4100万円程度にまで値が下がる、ということが予想できます。
5年後開通で1217万円、10年後で775万円の利益
次に駅ができたときの効果を併せて考えてみましょう。この物件の真下に地下鉄の駅ができると仮定し、駅徒歩ゼロ分として計算してみます。
光が丘駅の次の駅予定地は土支田駅(仮称)になります。ここに、70㎡5000万円の新築マンションがあるとして、5年後に大江戸線が開通して真下に駅ができるとどうなるでしょう。
駅徒歩ゼロ分とすれば、新築価格は1658万円の上昇で、6658万円となります。
5年後に駅ができたとして、駅近になったことによる値上がり分から経年劣化による値下がり分を引きます。すると、1658万ー441万=1217万円。10年後であれば、1658万ー883万=775万円。それぞれ現在価値よりも高くなる計算となります。
バブル崩壊後を想定し新駅予定地周辺を探す
以上の数値は、該当地域外の数値を当てはめているので、正確ではありませんが、考え方は参考にできると思います。
つまり新しく駅ができる場所については、不動産価格が下落傾向となっても、利益が見込める可能性がある、ということです。
家の購入を考えるとき、今後駅ができる予定の場所と、できる可能性のない場所を比較するのであれば、駅ができるところにしぼって考えたほうが良いということになります。
すでに購入時期としては、手遅れではありますが、駅ができる前に、山手線の新駅である、高輪ゲートウェイ駅の徒歩圏内に買えば良かった、ということになります。
ただ、都心部については、駅が近くに複数あり、新駅ができたとしても、影響は小さいと思われます。
高輪ゲートウェイ駅について言えば、都営浅草線泉岳寺駅がすぐ近くにあります。海側の港区の港南、芝浦地区のマンションについては、新駅が出来て数分近くなるということによって、価格が数百万円分高くなった可能性はあります。
こうして考えると、東京23区内で新駅ができる可能性の高い場所というのは、有楽町線の豊洲ー住吉間か、都営地下鉄大江戸線延伸地域しかありません。
中でも大江戸線終点の大泉学園町駅については、光が丘が現在持っている始発駅のメリットをすっかりそのまま得ることができるねらい目の場所です。
すでに人口が増えている大泉学園町
いまは大泉学園駅から徒歩三十分、またはバスで10分かかる大泉学園町ですが、今後大江戸線が延伸すると、通勤環境は劇的に変わります。
すでに駅予定地周辺には広大な敷地が確保され、工事の着工を待っています。
これから不動産バブルが弾けることが予想されている中で、大江戸線延伸予定地域の不動産価格はどのように推移していくことになるのでしょう。
テレワークが普及し、自宅勤務が日常となったときには、都心集中の現在の傾向も変わってくるかもしれません。
その頃には、すでに老後生活に入っているであろう私には、あまり関係ないこととはいえ、その変化を楽しみにしています。
生まれ育った街なので、その行く末は見届けたいと思っています。
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