住宅ローンは銀行がリスクを負う固定金利で借り、変動金利では借りない



保険会社の元リスク管理部員の視点で見れば、変動金利で住宅ローンを借りる人は、自動車保険に入らず車に乗っている人と同じです。銀行もいまは低金利で苦しくても、住宅ローンのリボ払いで将来は丸儲けですね。

借りるなら固定金利しかない

ネーミングの妙とはよく言ったもので、変動金利型商品ということで、その実態をうまく隠すことが出来ます。

固定金利と変動金利。その通りの名称で、嘘偽りのない表現です。

しかしながら、その実際の姿を見てみれば、そう簡単に言葉の違いだけでは済まされない違いがあります。

簡単に言えば、固定金利は銀行がリスクを負う契約。変動金利は契約者がリスクを負う契約。

返済金額が途中で変わるような契約を結んで本当に大丈夫なのですか?

購入時に支払い金額がいくらになるかわからない契約なんて、契約しても良いのでしょうか。

変動金利で個人がリスクをかぶるなんて意味がない

変動金利は、住宅ローン契約者がリスクを自分で負う契約です。

たいていの人は、住宅を購入するときに、一括払いで購入できないから、お金を借りて買うわけです。

にもかかわらず、今後、金利がこれ以上下がりようのない状況なのに、変動金利で借りるというのは、なぜなのでしょう。

金利が高い状況では、その後、金利が下がる可能性があります。銀行がわざわざ得をしない、変動金利を勧める理由はありません。固定金利で契約しておけば、金利が低下したときには、銀行が儲けることが出来ます。

逆に、これ以上金利が下がりそうにもない、という状況であれば、銀行は変動金利で貸したいはず。低金利であるにもかかわらず、固定金利で貸してしまえば、旨味がありません。

変動金利で契約しておけば、金利が上昇する局面になれば、雪だるま式に銀行の取り分が加算されていきます。

住宅ローンの月々の返済金額が増えて、返済が滞れば、銀行は担保物権を処分するだけです。

月々の返済金額は、急には増えない仕組みがある、と言われても、その分返済金額の総額が増えるだけ。住宅ローンの返済でリボルビング払いだなんて、恐ろしい。

「変動金利のほうが、月々のご負担が少なくて済みますよ」なんて、甘いささやきにのってしまって、本当に良いのですか?

史上最低金利のいま、変動金利で借りれば将来は自爆するしかない

「でも金利上がらないじゃん。上がる上がると言われてても、ずっと上がらないよ」

そう反論する人がいます。確かに現実的にはいまのところその通りです。

しかし、自動車で事故を起こしたことがないからといって、自動車保険に入らず、車に乗る人がいたら、どう思いますか?

私は二十年以上自動車事故を起こしたことはありません。

しかし、三十年前に車を一台廃車にする事故を起こしたことがあります。なので、自動車保険には必ず入ります。レンタカーを借りるときでも、必ず追加のオプションに加入します。

もしも保険に入っていなければ、破滅でした。保険金のおかげで、入院費や生活費などが工面できました。

自動車保険も自賠責保険にしか入っていない人がいるそうです。変動金利で借りる人は、自賠責保険だけで車に乗る人と同じ、と思います。

変動金利で借りて良い人は一括返済できる人だけ

ただし、変動金利で借りても良い人もいます。

いつでも一括返済できる人です。

五千万円の家を買うのに、八千万くらいしか資金がない。六千万は株式で運用しているので、現金化したくない。そのようなときには、一時的な資金の手当てとして、変動金利で借りておくのも良いでしょう。

特にリーマン・ショック後のここ十年ほどは、低金利下であるにもかかわらず、株価が二倍以上値上がりし、不動産価格も東京都心であれば三割前後値上がりしました。

ここ十年で儲けた人たちは、その読みが当たった人たちです。あなたがその中の人で億の単位の資金が手元にあるなら、変動金利でも良いかもしれません。

でも、大多数の人は、決して多くない貯蓄と収入の中から返済を想定して、住宅ローンを組むはずです。

現金一括払いが出来ないのであれば、変動金利で借りることは、止めたほうが良いと思います。最終的には住宅ローンのリボ払い、そして債権回収という、金融機関が最も喜ぶ形で終わることになるように思います。

住宅価格は購入者がローンで支払える金額で決まる。見渡す限り銀行の所有する畑がひろがる東京。
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