歩く 東海道五十三次 9−3 準備 スケジュール 浜松ー吉田(豊橋)ー岡崎ー宮(熱田神宮)〜船〜(桑名)ー四日市ー亀山ー水口ー草津ー三条大橋

 

 浜松から先、浜名湖沿いを歩く。浜名湖の弁天島を渡った先の新居宿に関所の資料館があり、そこを訪ねることを楽しみにしている。しかしながら、浜松から豊橋(吉田)までは三十五キロ。時速五キロでも七時間はかかる。朝八時に出て、歩きづめで午後三時。ちょっと関所を見学して、休憩すると五時過ぎになってしまう。明るいうちに次の宿へはたどり着きたい。二川の先は、江戸道中記で、夜道慎むべし、と注意喚起されていたらしく、今でもなにもないところだという。

 豊橋から岡崎は二十八キロ。岡崎は名古屋から電車で訪れたことがある。徳川家康が生まれた岡崎城の城下町だ。できればお城の資料館も訪れてみたい。確か、東海道岡崎宿についての資料が掲示されていたように思う。掛川もそうだが、お城の資料館は資料が充実しており、出来れば各地で見ておきたい。

 岡崎の次は宮。宮とは何かと思ったら、熱田神宮があるから宮。熱田神宮も名古屋に泊まったときに電車で訪れたことがある。

 信長が桶狭間の戦いの前に、必勝祈願をして勝利を収めたという熱田神宮。その信長が奉納したという塀が残っている。前回は夜になる直前の暗闇のなか訪れた。暗闇に包まれた境内で、ひとり四百数十年前に建てられた塀を眺め、信長に思いを馳せた。今回はどうなることか。

 江戸時代、熱田神宮から先は船で渡ったそうだ。木曽川、揖斐川、長良川など、濃尾平野にいくつもの川筋があり、これらの川は氾濫することで有名だ。なので、船で渡ることが一般的だったのだろう。

 次の宿の桑名まで、今では国道がある。熱田神宮から桑名を経由して、四日市までの距離は四十キロ。歩くつもりだが、この間を日程調整用のバッファーとして考えている。日本橋から熱田神宮までの間に、なにかハプニングがあったときには、ここを電車で移動して、日程調整をしようかと考えている。熱田神宮から対岸の船着き場の桑名まで、電車なら一時間もかからない。でもこれは、あくまでもリスクマネジメントで言うところの、バックアッププランだ。できればこの間も歩きたい。 

 四日市から亀山までは二十二キロ。亀山と聞くと、液晶テレビパネルを生産していたシャープの亀山工場を思い浮かべる。鈴鹿峠手前の宿場町の近くにあったとは。今回はじめて知った。

 亀山から水口まで三十二キロ。箱根に次ぐ峠越えだ。

 鈴鹿峠を越えるルートを通るのは初めてだ。完全に未知の世界だ。このあたりの言葉は、名古屋の言葉なのか、関西の言葉なのか。

 今まで名古屋と大阪は、新幹線の通る関ヶ原経由で移動するのが一般的だと思っていた。しかし、距離で見れば、鈴鹿あたりを越えたほうが近い。道理で、本能寺の変で信長が倒れたあと、家康が堺から伊賀越えで、三河まで帰った訳だ。

 伊賀、甲賀の近くを通るので、忍者に関する資料館などを覗いてみたいが、ルートからはかなり外れる。従って、今回はパス。東海道が整備される前は、鈴鹿峠よりも南側に峠越えのルートがあったようだ。

 水口から草津が二十六キロ。草津から京都三条大橋までが二十六キロ。四日市から京都までは、百キロほどしかない。関東に住んでいる者からすると、案外近くに感じる。

 全行程でホテルを予約した。予定通りにつかないと、毎晩すべての予定を変更しなければならない。京都は中級ホテルが少なく、ターゲットとしているホテルが取りにくい。予定通りに行かないと、結構面倒だ。全ては自分の足次第。

 さてどうなることやら。

 

東海道五十三次 十八日間 ひとり歩き: ロングトレイル 600キロ

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