都営大江戸線延伸にむけて進む補助230号線道路の整備状況を歩いて確認しました
目次
光が丘から大泉学園町までの道路整備
地下鉄が延伸する予定の練馬区光が丘から練馬区大泉学園町までは約4.5キロ。このうち1.5キロの区間で道路の整備が終わり、残り3キロを現在整備中です。
この写真は光が丘駅の真上から大泉学園町方面を眺めたもの。右手にイオン、西友LIVINなどの入るショッピングセンターが建っています。
この道路の真下には、大江戸線が走り、大江戸線の線路自体は、写真の一番奥の左側に見えるビルの下まで伸びており、そこで左手に曲がります。
写真奥のビルまでが1キロ弱。大江戸線の線路自体は、光が丘駅から1キロ先まではすでに敷かれています。小さく映る左手のビル下の交差点を左折すると、高層ビルが見えます。
高層ビルの次のひと区画が都営地下鉄の施設となっています。
新しい車両を地下の線路に運び込む施設が設置されていますが、現在は使用されていない模様です。
光が丘駅から1キロ大泉学園町方面に進むと、笹目通りにぶつかります。環状八号線と高島平を結ぶ道路です。そこから先は、数年前に完成した補助230号線につながります。
補助230号線は、農地や家の建っていた場所を切り開き、都市計画に基づいて整備されました。
ご覧のように都内では珍しく、道路の両脇に電信柱がありません。広い練馬の空がより広く見えます。
晴れた日には道の先に奥武蔵の峰々が見渡せます。
土支田駅(仮称)予定地
笹目通りから500メートルほど進んだところに、大江戸線光が丘駅の次の駅、土支田駅(仮称)の予定地があります。予定地のまわりはぶどう畑などの農地が残っています。
周辺では、すでにマンションやスーパー、コンビニなどが建ち、徐々に駅らしくなっています。
このロータリーから、歩いて数分のところには小学校、養護学校などの文教施設があるため、建設できる施設にも制限があり、文教地区にふさわしくない商業施設は建てられないことになっています。
駅前ロータリーの予定地は、6階建てまでの建物が建てられます。今後、周辺の農地も地下鉄延伸決定と同時に、駅施設や商業施設に変わっていくと思われます。
土支田は練馬区の中でも、もっとも古い地名の一つです。
現在の東武東上線成増駅近くの旭町から、西武池袋線大泉学園駅周辺の東大泉までの広大な地域を、上土支田、下土支田と呼んでいました。
下の写真中央に立つ大木が、土支田駅前ロータリーの中央部を示しています。
↓光が丘駅から1つ目の駅、土支田駅(仮称)の駅前ロータリー予定地です。
大泉学園町駅(仮称)予定地
いったん、終点の大泉学園町駅(仮称)まで移動します。
駅予定地では、現在、ヤマダ電機が営業中です。パソコン館と家電館と二つのビルで営業しています。
ヤマダ電機は、大泉学園町の中心の一等地にあり、すでに広大な土地を駐車場として確保しています。
上の写真がパソコン館。この奥右手に家電館があります。
下の写真はパソコン館。ここから左右に伸びているのが、大泉学園駅前までをつなぐバス通りの大泉学園通りです。ここから大泉学園駅までは約3キロあります。
ご覧の通り、片側一車線しかないため、雨の日には渋滞し、駅までバスで三十分以上かかることもあります。
大江戸線が延伸すれば、雨の日の渋滞が激しいときなどは、バスで大泉学園駅にたどり着くまでの時間で、新宿駅に到達できるようになります。
大江戸線が延伸すると、大泉学園町周辺の交通状況は劇的に改善します。
大泉学園町の良さは、縦横一キロ以上の範囲に、碁盤の目のように整備された風致地区となっていることです。碁盤の目は、練馬区の中で終わらず、隣の新座市にまで広がりを見せています。
大泉学園町駅予定地は、そのど真ん中に位置しています。縦に走るバス通り沿いを除けば、低層の二階建て住宅が整然と並んでいます。
2003年ころは、社長の住む街の人気ランキングで、田園調布、成城学園に次ぐ第三位であった大泉学園町。大江戸線が出来ることによって、利便性が飛躍的に改善し、再び人気の街へと復活することでしょう。
大泉学園町 補助230号線 予定地
写真に写る道筋は、補助230号線が通ることにより、拡張される予定の道路です。
ヤマダ電機の並びのすぐ隣の区画でも、すでに用地整備は進んでおり、グリーンのフェンス内はすでに整地されています。
家が建っているところも、一部ですでに空き家になっています。また、庭先が道路に変わる家などは、塀の撤去を行えば、すぐに道路工事が開始できる状況です。
2019年1月時点で、予定地周辺を歩きながら数えてみると、大泉学園町駅(仮称)から大泉町駅(仮称)までの最終区間で、現在も使用されている住居は30軒前後です。
大泉町駅(仮称)から大泉学園町駅(仮称)までの区間については、2020年以降の着工になりますので、道路工事の開始までには、まだ時間があります。
先に、用地整備が進んでいる、土支田駅(仮称)から大泉町駅(仮称)間の、まだ開通していない、残り1キロの道路整備が、先に進むものと思われます。
大泉学園町駅予定地のヤマダ電機から、まっすぐに伸びてきた道は、七百メートルほど進んだところで斜め右に折れます。写真の緑のフェンスの先、すでにほとんどの用地整備が終了し、道の先まで見通せることがわかります。
ここから光が丘までは一直線。開通すれば、ここから光が丘周辺のビルが見えると思われます。
大泉町駅(仮称)周辺
大泉町駅(仮称)は、外環自動車道との交差地点になります。ここから600メートルほどは、外環自動車道のトンネルの上部となり、このような空間が広がっています。さらにその先五百メートルほどのところでは、外環自動車道の大泉インターチェンジから東名高速用賀インターチェンジまでのトンネルを掘っています。
その土砂を運ぶためのベルトコンベアが、ここから和光北インター付近まで外環道中央部に整備されています。
外環自動車道のトンネル工事が終われば、そのままそのベルトコンベアーを使用して、大江戸線のトンネル掘削で生じた土砂を荒川近くの和光北まで、ベルトコンベアーで運ぶことが出来ます。
現在、世田谷と練馬との双方からトンネルを掘っているそうなので、それが終われば、そのまま掘削機を利用して、ここから大泉学園町駅と光が丘駅に向かって、掘り始めることができます。
大泉町駅は外環自動車道の真上にあります。高速バスのバス停留所ができれば、大江戸線で都心から移動し、高速バスに乗り換えて出かけることができます。
このような幅の土地が、縦に600m分もあります。バスターミナルを作るための用地も十分です。実現すれば、都心部の渋滞緩和にもつながります。
大泉町駅(仮称)から土支田駅(仮称)
土支田駅予定地から大泉町駅予定地までの区間の用地買収はほぼ完了している模様です。この区間については、2019年中に着工開始します。
↓大泉町駅予定地から土支田駅方面を望む
↓白子川から光が丘方面。すでに用地整備が進んでいます。
↓土支田方面から大泉町駅予定地方面を望む
すでに一部工事は始まっており、4月以降に電柱を撤去していくと思われます。この電柱がなくなると、きれいな青空を遮るものがなくなります。
↓以前から確保されていた用地も、花壇が撤去され、舗装されています。先に小さく光が丘団地周辺のビルが見えます。
↓長久保方面からの合流地点。ここは渋滞発生地点なので、道路が開通すれば慢性的な渋滞が解消されます。
↓上記の渋滞発生地点から土支田通りまでの道は、完成しており、車止めを撤去して、白線を引けば使用できる状態です。
↓光が丘駅からの補助230号線(都道433号線)はここ土支田通りで突き当たっています。この先が光が丘。
光が丘駅から土支田までの2キロの区間はすでに完成しています。残りは2.5キロ。そのうち大泉町駅(仮称)までも、ほとんどのところで舗装がされており、あとは道路整備工事を始めるだけ、となっています。
道路が完成すれば、大泉学園町駅まで、下記のような道路でつながるようになります。なにもない畑の中に道ができて数年。朝のラッシュ時には、笹目通りまで渋滞が発生するようになってきました。
大泉学園町から大泉学園駅までのバス通りは慢性的に渋滞します。雨が降ると車の流れが止まります。歩いたほうが早い状況です。
地下鉄ができる前に、補助230号線ができることで、まず自動車の流れが大きく改善し、大泉学園通りの渋滞が緩和されます。
また、現在は目白通りに集中している車両が分散され、住宅街の中を抜けていく車の数も減り、安全性の面でも改善します。
地下鉄の延伸の前提として整備されている補助230号線ですが、まず道路ができることで、住人の生活環境が大きく改善しています。
大江戸線延伸は、単に都心までの鉄道交通の便を解消するだけではなく、道路整備を一体化して進めることにより、車の特定の道路への集中による渋滞を緩和する効果もあるのです。
2022年3月に補助230号線が完成予定です。トンネルの掘削は一日で約10メートルとのことなので、3.5キロほど掘るのにかかる期間は、のべ約一年ということになります。上下線を掘るのに掘削機を何台使用するのかわかりませんが、2024年頃には地下鉄の開通も可能です。
オリンピック開催直前ということもあり、湾岸地区の開発に世間の目は向いていますが、東京の内陸部の練馬区でも密やかに交通環境の改善が進んでいます。
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