変動金利型の住宅ローンがなぜ銀行にとって良いのか
- 月々の返済が安く済む
- 金利が上がっても月々の返済が急激には増えない
- 住宅販売員が勧めてくれる
- なぜ変動金利型の住宅ローンにすると良いのか
- 日はまた昇る
- 金利が高くなったら固定金利型を勧める
- 返済が厳しくなれば繰り延べを勧める
- だめなときは差し押さえ
- 変動金利での契約が半数以上
- 銀行の準備は既に完了
先日住宅ローンを変動金利型で契約する人が多いという記事を見かけましたので、その理由を銀行員の立場で考えてみます。
目次
月々の返済が安く済む
まず、家を買う人たちの、月々のローンの支払いが安く済む。
月々の負担額が少なくて済むので、ローンも組みやすくなります。
すると予算よりも高い家が購入しやすくなります。
より良い家に住めて幸せですね。
住宅メーカーも高い家が売れて大喜びです。WinWinWinです。
金利が上がっても月々の返済が急激には増えない
変動金利は今後金利が高くなったときに返済額が増えることが心配です。
でも大丈夫、急激には増えないようになっています。支払いに無理がでないように、設計されています。だから、変動金利でも心配ありません。
住宅販売員が勧めてくれる
住宅ローンは銀行員が勧めるわけではなくて、家を販売するときに販売員が一緒に話を進めます。
最終的に銀行へ行くのは、事前審査が終わった契約書を作成する段階になります。
なぜ変動金利型の住宅ローンにすると良いのか
銀行は低金利下で収益を上げることが出来ずに困っています。
投資信託や保険を販売して、その手数料で儲けようとしましたが、あまりにもひどい売り方をしていたために、金融庁から指導が入りました。
さて、それでは銀行はどうすればよいのでしょう。
日はまた昇る
いまは苦しい時代です。
でも、あと少し我慢すれば、きっと素晴らしい時代がやってきます。
そう、金利の上昇。
日銀の低金利政策も、いつかは終わります。
それはすなわちインフレになるということ。なってほしいと政府も願っています。
金利が上昇しさえすれば、変動金利型の住宅ローン契約者からの利息が増えます。
銀行は一息つけます。
金利が高くなったら固定金利型を勧める
金利が高くなったら、固定金利型に変えれば良いと考えているひとには、その時点で固定金利型商品を勧めれば良いでしょう。
金利が高くなった時点で、契約を切り替えてもらえば、再び金利が下ったときには、また儲けることができます。
返済が厳しくなれば繰り延べを勧める
変動金利で借りている人は、返済額が増えて支払えなくなれば未収の利息を繰り延べします。
変動金利型の商品には、返済額が急激に上がらないような仕組みはありますが、本当のところは、クレジットカードのリボ払いといっしょです。
月々の返済額を抑えて繰り延べしているだけです。結局のところ、銀行に対して、より多く支払って貰える仕組みなのですが、物は言いよう。その実態は、住宅ローンのリボルビング払い。
だめなときは差し押さえ
もしもそれで返済ができなくなれば、家を差し押さえて処分すれば良いのです。
日銀がいつまでも低金利を続けるせいで、銀行はもう体力の限界です。
不動産、証券業界が大儲けしている中、銀行は一方的に不利な環境に追い込まれているのだから、この先少しくらいは儲けさせてもらわないと困ります。
いまが我慢のしどころ。
銀行への利益供与をしたくない一部の人は固定金利で契約します。
変動金利での契約が半数以上
変動金利型の住宅ローンで契約する割合はおおよそ5割。
当初5年、10年の固定金利期間を作ってみたところで、そのあと変動になるのであれば同じこと。低金利が終わったちょうどよいタイミングで、銀行は儲けることが出来ます。
全期間固定金利で契約する人は、いまのところ全体の6%ほどしかいません。
銀行の準備は既に完了
さあ、日銀さま。早く金利を上げてください。
仕込みは終わりました。
金利さえ上がれば、銀行は息を吹き返せます。
変動金利で借りている皆さんありがとう。
みなさんの犠牲的精神のおかげで、銀行は立ち直ることができます。
と、銀行員の皆さんは考えているのでしょう。
以上、私のつたない想像です。
当然ながら、私は全期間固定金利で借りています。
銀行へ貢献できるほど、わが家に余裕はありません。
変動金利型で借りている方は、早めに全期間固定金利型に借り換えておくのが、懸命かと思います。