雨の日の公園の散歩
雨の日の公園は人も少なく、いつもよりもひっそりとしている。
雨が地面を叩く音がテンポ良く聞こえて、足元を濡らす。
カラスや小鳥たちは、雨の中でもいつもと変わらずにピーチクパーチクと騒いでいるが、少しだけ元気がないように聞こえる。
いつもすれ違う顔なじみの人たちも、雨の日には出歩かないようで、知った顔を見ることもない。
雨が強くなってきて、通勤の人たちは前のめりに公園の中を横切るけれど、その数はいつもよりも少なく見える。
こんな日は公園の中などは通らずに、バスに乗って真っ直ぐ駅へと向かうのだろう。
公園のベンチは濡れて、このあと数時間は座れる状態ではなくなるが、それでもいつかは太陽が出て、そこを乾かし、次、来た時にはいつものベンチに戻っていることだろう。
風が吹くと雨が打ちつけ、体は冷たくなるのだけれど、朝の公園の散歩はやめられない。
こうした時間って、良いものですよと、足早に去っていく人たちに伝えたい。
そんなに暇じゃない、忙しいんだよ、と言われそうだが、まあ仕方がない。
時間を噛み締めながら前に進むということは良いものだ。
歩き旅をすると、そのことに気がつく。
見えなかった世界が見えてくる。