東海道五十三次18日間ひとり歩き Day6 三島ー沼津ー原ー吉原(富士)32k
東海道五十三次 6日目
三島ー沼津ー原ー吉原(富士)
歩行距離 三十二キロ
一日の歩数 四万二千九百十九歩
目次
快晴の三島
昨日の雨からうって変わって晴天。十階のホテルの窓からは、遠くにうっすら山が見える。方角から考えると、久能山の方面か。富士山方面は、隣のビルに遮られ、よく見えない。
昨日は疲れ果てた体を引きずって、三嶋大社の参道前を、一瞥もせず横切り、一直線にホテルへと向かった。しかし、この朝方は元気があるので、朝一番でちょっと立ち寄ってみることにした。
三嶋大社
源頼朝が大切にしてきた三嶋大社。古くは吾妻鏡にその記述が残るという。そもそも三島という地名は、三嶋大社があることによりついたとのこと。伊豆の島々のことを三嶋と呼び、その神様を祀っているとのことだ。
境内には、結婚式を挙げる何組もの家族が集まり、朝の九時前から、人力車に乗って新郎新婦登場、などということをしていた。地元の人々が大切に思う神社というのは良い。
三嶋大社の前を東西に伸びる東海道。西へ向けて歩き始める。太陽の日差しが強いと進行方向左側の歩道を主として歩くことになる。日本橋のような高層ビルの並ぶ都会と異なり、二階建ての一軒家の作り出す影くらいでは、頭のてっぺんまで日陰の中に埋もれて歩くことはほとんどできない。首から上は直射光にさらされているが、長男にもらった縁の広い帽子が、日焼けを最小限に抑えてくれている。
伊豆と駿河の国境
伊豆の国と駿河国を隔てる小川を飛び越え、三島から沼津までは四キロ。小一時間。その後も単調な道が続く。
取り立てて何の変哲も無い道だ。広重の絵を見ると何もないことがよくわかる。江戸時代はもっと何もなかった。いまのこの時代、何もなかったと言っても、ときどきコンビニがあり、新しい一軒家がごく稀に現れ、妙な郷愁を覚える木造の昭和の家、がワルツくらいのテンポでときどき現れる。
何の変哲も無いとは言っても、途切れることなく家は並んでいる。
東海道歩きはマラソンにも似ている
ひたすら歩くというのは、自分にとっては、やはりマラソンに参加するのと同じこと、という結論に至りつつある。朝出発したらひたすら前に進む。とにかく、次のホテルのチェックインに間に合うことが第一の目標。マラソン大会では、大会ごとにゴールまでの制限時間が定められているが、今回の旅もそれに近い。とにかく日暮れまでに、次の宿へ飛び込む。スタートとゴール。その繰り返し。
日差しがあまりにも強すぎて、吉原宿に着いた時には何だか気分が悪かった。軽い熱中症のような気もする。朝から夕方まで休憩もせず、食事もせずに歩いている。食事らしいことはせず、途中で立ち止まり、スポーツゼリーを胃の中に流し込む。体が欲していれば、カロリーメイトも食べる。そう、これはマラソンを走るランナーと同じ、給水ポイントでの補給とあまり変わらない。
富士市の富士山
途中、一瞬富士山が見えたが、その後すぐにまた雲隠れしてしまった。
しかし、到着後ホテルの部屋に入り、障子をカーンと開けると、真正面に大きく見えた。
明日は今までで最長の三十七キロ。実質的には、四十キロだろう。長い海岸線の先、峠を越えた駿府城下まで進む。つもりだ。
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