外国人技能実習生の待遇の話を最近耳にしますが
システム開発の仕事していると、周りは外国人ばかり。外国人という言い方さえも違和感を感じる、日本人の方が少ない多国籍が当然の環境。コミュニケーションは普通に英語と日本語のちゃんぽん。そんなところで仕事をしていると、実態の方がもっと先を進んでいるなと、思います。
インドなどの海外ベンダーに発注すれば、仕事仲間はインドの人ばかりになるし、韓国企業に発注すれば韓国の人ばかりになる。そもそもアジアの地域本部がシンガポールにあるので、日本もその中の一部に過ぎない。日本はすでにシンガポールから指示をされる立場なのに、日本企業の人たちは、東京から指示を出すのでそのことに気付けない。
二十年前ならまだしも、今日本に来るのは、日本の文化に興味を持つ人たちだけのような気がします。アジアの人であれば、まずはシンガポールを目指すでしょう。シンガポールのビザが取れなければ、オーストラリアとか、ニュージーランドとか。日本のような基準が明確で無いビザをわざわざ取って来るのかな、と思います。
外資系企業で出会う人たちの、本音を聞いてみると、本当はアメリカへ行きたかった、英国へ行きたかった、というのはよく聞く話。なのに日本が第一希望で来る人たちというのは、日本のアニメが好き、漫画が好き、といった本当の理由が裏に本音であったりする。
にもかかわらず、メディアを通じて伝わってくる受け入れを画策している立場の日本人は、相変わらず欧米が上で、アジアは下のような感覚のまま。もうそのような時代ではないでしょう、と思うのだけれど、日本人しかいない霞ヶ関や永田町にいると、実態がわからないのだろうなと、想像します。公務員制度の基本的な欠陥である、ダイバーシティーの無さが政策立案の時にマイナス面として現れます。
特定技能と言う名の単純労働で人々を受け入れても、いびつな感覚のままの日本の受け入れ先に入ってしまった人たちは、日本嫌いになる。そして、二度と来なくなる。
恐らくオリンピックの後に来る不況の時期には、リーマンショックの時のように、今働いている人たちも大量に解雇されて、結果として日本嫌いな人を増やすことにつながるのではないかと、憂いています。