別荘があるとほっとできます
これだけ暑い日が続くと、涼しいところへ行きたくなる。となると、我が家の場合向かうのは、リゾートマンションのある新潟県湯沢町の苗場となる。でも、今年の夏はプラハと軽井沢と香港へ出かけたので、まだ行っていない。
苗場にリゾートマンションを買ったのは、三人の子供が生まれて五人家族となったから。五人家族でホテルを泊まり歩くのは、経済的にかなりの負担となる。初めはキャンピングカーを買おうかと思った。でも、リゾートマンションは不動産だから、相場が回復してまた価格が上がるかもしれないと思いリゾートマンションにしたのだが、思惑は大きく外れた。
バブルが弾けた後ということもあり、かなり安くなっていた。当時はワンルームが二百万円くらいだった。それが今では十万円で買える。しかしよく考えてみてほしい。バスタブだけで数十万はする。トイレもシャワーも付いている。それも、投資目的の部屋だとほとんど使われていない。それが電動自転車より安いのだ。これはどう考えてもおかしい。でも買う人がいない。実際に買って使ってみると、人生がこんなにも豊かになるのかと思うが、大抵の人は踏み出せない。
まず、買ったら最後、売れないのではないかという恐怖。高い管理費を払い続けなければならないという刷り込みがあるようだが、私のところは水道代込みで月一万円だ。家族の使うスマホの通信費の方がはるかに高い。
今は人気がなくても、使い道さえできれば、再び価値を持つ。例えば、総務省が推進しているテレワークの拠点とする。企業が夏の間苗場でテレワークを実践すれば、不動産の価値が出る。在宅勤務の代わりに、涼しい高原で仕事をすれば、仕事ははかどるし、家族を同行すれば、朝、昼、晩と、高原でリゾートライフが家族と共に楽しめる。
このようなことは誰でも考えつくことだが、湯沢町の動きは鈍い。不動産価格が下落したのだから、固定資産税を下げるべきだが、町の税収の多くが消えるので、しない。かといって、町に価値をもたらす対策を講じるわけでもない。
山を越えた隣の町では移住フェアーを東京で行なっている。そこでは、二千万円以上の値段で宅地を分譲している。その隣の湯沢町で十万円も出せば買える不動産が数多くあるのだから、何か町として動けば良いのに、何もしない。越後妻有アートトリエンナーレにも、湯沢町は参加していない。民泊も出来なくしてしまった。もともと不動産の価値がないのだから、これ以上もう下がりようがないのに、メディアから流れてくる都心の状況を自分たちに当て込み町をあげて民泊に反対する。自分たちの状況が見えていない。
経済成長の著しい、暑い東南アジアの国々の人たちにとって、涼しい高原は、とても魅力的だ。台湾の台北でJRがガーラ湯沢スキー場の広告を出しているのを見た。同じように案内をすれば良いのだ。湯沢町長に今度話に行ってみようかな。