NHK「まんぷく」萬平さんの複業から学ぶ、突き抜けた独自性

目前の目標に集中する

NHKの朝のドラマ「まんぷく」の萬平さん。

世の中の人達を幸せにする何かをやりたいということで、さまざまなことを手がけながら生きていく萬平さん。

若い頃はなんだかわからないけれど何かがしたくて、モヤモヤとしながら前に進んでいきます。

スポーツ選手のように、これがやりたいということが明確に決まっている人は、迷うこともありませんが、世の中の多くの人は、なんだかわからないけれども、何かがしたい。そう思いながら、手探りで前に進みます。

そのときどきで、取り組むことは変わります。

たいていのひとは、どこかで目標を忘れ、いつしか何をしたかったかを忘れます。でもそれはそれでいいと思います。

たいてい、やりたかったことは、途中で変わっていきます。大切なものも変わります。変わっていくこともまた大切なことです。

やりたいことを追求する姿勢

まんぷくの萬平さんはそのときどきで、向かう対象は違っていても、常にその時やりたいと思ったことにぶつかっていきます。そして、目の前に現れる難題に対して、ひとつひとつ逃げずにぶつかります。

映写機をつくり、野菜の粉砕機をつくり、塩をつくり、栄養食品をつくり、信用組合の理事長になり、ミキサーをつくり、インスタント麺をつくる。

新しいものをつくろうとするときの人々の情熱。これを一緒に感じることができることは実に楽しいことです。

ソニーやホンダがかつて世界を目指していたときの社内には、同じ空気が満ちていたのではないかと思います。

アイフォンやウォークマンはジョブズや盛田さんのこだわりの中から生まれてきました。こだわり抜いた中から、突き抜けた独自性が生まれてきたのです。

AIの特徴は網羅性。人が勝てるのは独自性。

SEOについてすこし学ぶようになって、気になっているのが、網羅性ということ。

検索上位に表示されるには、上位検索でヒットしているサイトの内容を参考に、作成すると良い、とのこと。

確かに、上位のサイトにはありきたりのことが、もれなく網羅されていて、ウィキペディアのようには役に立ちます。

でも、みなさん本当に何かを調べたいとき、考えたいときに、上位検索を見ますか?

網羅性を確認する観点から、ササッと眺めることはありますが、よく読むのは私の場合は少なくとも、二ページ目以降。

金太郎飴のように1ページ目はどれもこれも同じような内容なので、見ていてもまず新しい発見はなく、情報の整理には役に立っても、その先のヒントを探すことの役に立ちません。

なるほどな、というコメントは、たいてい3ページ以降に浮かんでいます。

もちろん雑多なものが数多く紛れていますので、探すのは大変ですが、そこを選り分けていくのは、調べる個人の経験と能力によるでしょう。

捨てる覚悟が伝わる

アフィリエイトは広告であって、芸術ではないので、万人受けする視聴率・PVが重視されることはよく理解出来ます。

従って、万人受けするための網羅性を重視して、検索上位に載せるということは、広告のあり方としては極めて正しい。

ただ、それが、そもそもどうなの、といったことをずっと拡張し続けていく場合には、意味がないような気がします。

昨今の日本メーカーの失敗の原因は、網羅性を拡張することばかりを考えて、独自性がなく伸び悩んでいることにある、と思います。

人々が欲しいものは検索エンジンの上位にあるのではなく、誰かの頭の中に浮かび上がるものです。

「電話」というコンセプトを根底からひっくり返して、「ウェアラブルデバイスに電話アプリ」をのせる、それを「スマートフォンという電話をイメージさせるネーミング」で提示する、という、逆転の発想を、さらに再逆転する発想は、網羅性をどこまでも追及する姿勢からは生まれてきません。

世の有名コピーライターが、最終的には作家を目指すのは、やはり独自性にこだわりたいというクリエイターとしての性がそうさせるのでしょう。

広告は広告で良いのです。これも一つの文化です。何かを宣伝するための文章として使われるためには、より多くの人が読んでくれることが大切です。これも一つの芸の道。

多様性・ダイバーシティーの重要性

まだ参加者の誰もが手探りで進んでいる世界には、このような多様なものが混在する楽しさがあります。

職業として取り組んできた金融の世界では、すべてがルール化されていて、なにか新しいことが生まれる場合にも、まず規制されるところから始まります。

ちょっと新しいことが始まりそうでも、たいてい規制されて潰されます。特に日本はその傾向が強いと思います。

ネットの世界は、その点まだまだ未知の世界です。新しい技術で世界そのものが急速に変化しています。

保険業界も、銀行業界も、ネットの出現で、いままでのやり方が根底から覆されています。

そこにしがみついていたい人たちには、とんでもないことなのでしょうが、未知の世界を求める人々にとっては、わくわくするような時代の到来です。

ほかのみなさんのブログを読んでいると、そんな未知の世界に飛び出していく人たちのとまどいとドキドキ感が垣間見られて本当に楽しいです。

ひとそれぞれ向かう方向は違うのでしょうが、そんなみなさんの生き様を知ることが出来るのもこのブログサービスの楽しさですね。