ぼーっと生きてんじゃねーよ、と言われても、ぼーっとしていたい
CX系共同テレビ制作
NHKの番組「チコちゃんに叱られる」が好きで、毎週見ています。フジテレビ傘下の共同テレビが制作しているということで、NHKの真面目さを、昔のフジテレビが茶化しているような味付けで、ついついくせになっています。
フジテレビは今でも人気企業の一つですが、私が就職活動をした二十数年前のバブルエコノミーの時代、会社説明会の参加が有料と聞き、びっくりしたことを覚えています。
資料の請求だけで数万件も来るので、無料では、やっていられないという人事部の負担もわからないでもありませんが、当時はとにかく唖然としたものです。
そんな時代に入社した人たちが局長や取締役になったいま、フジテレビは視聴率の低迷に悩まされているそうです。
インターネットが世に出る前は、マスメディアの伝えることが、世論でした。新聞テレビの系列はいろいろとありますが、ほぼ7つくらいの企業グループで伝えることが世間というものを作っていました。
記者は夜討ち朝駆けで官僚や政治家の家に張り込み、直接情報を聞き出すことが基本でした。週7日勤務の毎日で、今ならストーカー行為と糾弾され、ブラック企業と言われたことでしょう。
ググるディレクター
ところが、最近は何を調べるにも、まず検索エンジンに聞く、ということが標準化しています。記者やディレクターも、取材はじめに、まずはググるということになっていることでしょう。
インターネットの出現以前は、新聞やテレビを見ていれば、世間、というものがわかりました。ところが、インターネット時代を迎えてからは、記者でなくても自分から情報を取りに行くことで、世間を知ることができるようになりました。フィルターのかかった情報が提示されるということはあっても、手のひらのスマホで、世間が見えるようになりました。従って、記者やディレクターは、より一層深い、その先を調べることが求められるようになっています。
プロデューサーのさけび!が聞こえる
知らないことがあると、むかしは、「調べたか?」と聞かれ、「本でわからなければ、足を使え」などと言われたものです。
「ぼーっと生きてんじゃねえよ!」
ググるだけで、積極的な取材に出ようとしない、若いディレクター。
親会社に企画書を上げたのに採用しない頭の固い編成局。
番組プロデューサーの心の叫びが、チコちゃんに乗り移って発せられているかと思うと、番組がより一層の深みを持って、味わえます。
だからついつい見てしまう、のかもしれません。