腕時計をアップルウォッチに変えて3年。もうホイヤーには戻れない。ウェアラブルAIのライバルはアマゾンエコー。



ウェアラブルAI アップルウォッチ

はじめに買ったのは、アップルウォッチ2でした。それを一年ほど使い、その後アップルウォッチ3を購入しました。

アップルウォッチの前は、ナイキフューエルバンドを使っていました。このときは、タグ・ホイヤーの腕時計と併用でした。左手にタグ・ホイヤー、右手にナイキフューエルバンドをつけていました。

ナイキフューエルバンドは運動量の計測に使用していました。毎朝のジョギングと一日の歩数の合計が何歩になったか、ときどき確認していました。

達成度合いがレインボーカラーで表示され、ブラックバンドに色が映えて、とてもきれいでした。

事前に、このナイキフューエルバンドを使っていたことは、アップルウォッチへの切り替えをうながす要因になっていたと思います。

ナイキフューエルバンドで時計離れが進行

ナイキフューエルバンドの電池は一年少々しか持たず、一年後にもう一度同じナイキフューエルバンドを購入しました。

ナイキフューエルバンドは、27グラムととても軽いし、特に朝のジョギングのときなどは、タグ・ホイヤーははめずに、ナイキフューエルバンドだけで出かけておりました。

そのようなことが習慣化しているうちに、ちょっとした外出では、タグ・ホイヤーをつけずに、ナイキフューエルバンドだけで出かける、ということが増えてきました。

特に、夏場は時計バンドのまわりが汗で湿るので、さっと水洗いしてタオルで拭けるナイキフューエルバンドはとても使いやすく、徐々にタグ・ホイヤーの存在感が薄れていきました。

それでも仕事へ出かけるときには、タグ・ホイヤーを左手にはめていきました。スーツにナイキフューエルバンドだけというのは、当時の感覚では、まだどことなく軽い感じもしました。

ランチのときなど、ナイキフューエルバンドが目にとまると、話題にはなるものの、ランニング好きが身につけているガジェット、といった存在でした。

さよならのきっかけは電池交換

平日はタグ・ホイヤー、休日はナイキフューエルバンド、といった状況が続くようになっていたある日、タグホイヤーの時計が、4秒刻みで動くようになりました。

電池の電圧が下がってくると、タグ・ホイヤーは4秒刻みで動くようになります。電池がもうすぐ切れることを教えてくれているのですが、こうなっても使えなくなるまでには、まだまだ時間があります。

ナイキフューエルバンドもあるし、切れたら交換すればいいやと考えていました。それまでの経験では、4秒刻みになったとしても、優にひと月以上は電池が持ちます。

でも、同時に、次に電池が切れたらどうしよう、とも考えていました。というのは、電池の交換費用がずいぶんとかかるからです。

使い始めの頃からずっと、街の時計屋さんで交換していました。その場合は、だいたい1500円前後で交換できました。

ところが、ある時から、タグ・ホイヤーのお店に持っていかないと出来ませんと言われるようになりました。

近所のショッピングセンターの時計屋さんでそう言われたので、ビックカメラに持っていったのですが、そのときにも、同じようにそう言われたと記憶しています。

そこで仕方なく、銀座の直営店に持っていきました。

銀座のタグ・ホイヤーの直営店に持っていくと、預けることになります。その場で替えてくれればよいのですが、一旦預かって、工場で交換するということなのです。預け期間も二週間程かかります。

私のタグ・ホイヤーは、日本で買ったものなので二万円くらい。しかし、妻のものは香港で購入したものなので、電池交換だけで三万円近くかかりました。

電池は二年位で交換となるので、計算すれば毎年電池代で一万円かかることになります。一ヶ月800円。妻の場合なら、一ヶ月1250円です。格安SIMよりも高い。

最近の料金はどうなっているかと思い確認したところ、当時に比べてかなり安くなっているようです。いまなら一万円以下で交換できるようです。また、ビックカメラでも交換できるようです。1600円でできるなら、今度行ってこようかなと思いました。

タグ・ホイヤーは、プリンター販売と同様、本体を売ったあと、インクで儲けるようなスキームを作ろうとしたのでしょう。

しかし、最初に数十万の代金をとっておいて、さらに二年おきの電池交換で継続的に利益を出すというモデルは、おそらく消費者に受け入れられなかったのだと思います。

交換料金をいまさら引き下げても手遅れです。

動かなくなったあの日から、タグ・ホイヤーはデスクの引き出しの中で深い眠りについています。日本中で同じような時計が数多く発生したことでしょう。

30年使い続けたタグ・ホイヤー

私は、子供の頃からF1が好きで、何かとスポンサーとして目につくタグ・ホイヤーがかっこいい時計と、潜在意識の中に刷り込まれて育ちました。

アイルトン・セナが、イタリア・グランプリでクラッシュしたときも、タグ・ホイヤーを左手につけて、ミラノのホテルのテレビでそのニュースを見ておりました。

最初に買ったのは大学生の時。香港の三越で10万円前後で買ったと思います。その後、さまざまなモデルを10年おきくらいに買い替えて、最後に買ったのは八年ほど前。新宿のビックカメラでした。

三十年近く使い続けてきたタグ・ホイヤーですが、毎月千円近くもかかるとなると考えてしまいます。

二十代までは、ダイビングやウィンドサーフィンをしたりといったこともありました。しかし、三十代以降、子供が生まれてからは、海で使うこともありません。

スキーには行きますが、海の中ほど防水性にこだわる必要もありません。

使っていたタグ・ホイヤーは、恩人でもありました。

一度、雨の日の坂道でキックボードに乗って思いっきりすべって、宙を飛んだことがあります。

しかしその時、時計のバンドがうまく外れて、手のひらがアスファルトの路面につく瞬間、するりと手のひらにタグ・ホイヤーが入り込み、私の身代わりとなって、手のひらを無傷で守ってくれたのです。いまでも生々しい、その傷跡は、タグ・ホイヤーのベゼルに刻まれています。

そんな思い出深いタグ・ホイヤーでしたが、電池の寿命と同時に使うことはなくなりました。

腕時計のおわり

時計は、時を知るための道具ですが、同時に宝飾品としての価値も備えています。精密な部品で構成された機械仕掛けの時計は、見ているだけでその繊細さにほれぼれします。

しかし、普通の人はそこまで求めません。時間がわかって、安っぽくなければいい、というのが、平均的なニーズでしょう。

小学生の頃、叔父からもらった、自動巻きの腕時計を愛用していました。透明のガラス板で裏蓋が出来ていて、中で歯車の動く様子が見えました。

腕にそのような精巧な機械を巻き付けて、それが動いていることが楽しくて、ときどき時計の中の歯車が動くのをみながら、人の心臓のようだ、と思っていました。

時計は一日中肌身離さずに付けているものですから、自然と愛着が湧いてきます。付けていないと、なにか忘れ物をしたような気分にもなります。

今後は、特別に高価な機械式時計か、高機能な腕に巻くウェアラブル端末に、ニーズが分かれていくことでしょう。

果たしてタグ・ホイヤーなどが出している、高級路線のウェアラブルタイプは、普及するのでしょうか。

スマートウォッチは精密な電子機械製品で、かつ小さな電池が動かしています。現段階では長期間使える機械ではありません。

富裕層が高級時計を購入するのは、投資の対象になるからです。機械式であれば、充電も必要ありません。電池の交換もありません。希少品として価値が高まる可能性があります。

しかし、ウェアラブル端末の場合、いまのところ、そのような希少性はありません。

ウェアラブルAIへの流れ

電話とメールとカメラのための機械であったガラケー。そこから派生して、自分でアプリを追加して自分仕様にできるスマホが生まれてきました。

スマホというプラットフォームがあれば、あとから必要な新機能をアプリとして追加できることは画期的でした。

タグ・ホイヤーの代わりにアップルウォッチを購入したわけですが、決め手は健康習慣の持続をうながす機能でした。

歩数はもちろん、心拍数も教えてくれます。座りっぱなしだから立ったほうがいいと余計なお世話までしてくれます。

財布を待たなくても買い物ができるようになりました。スイカを持たずに電車に乗れるようにもなりました。

電話、メール、ラインの着信は教えてくれるし、ナビまで付いています。iphoneが近くにないと使いにくい、ということはありますが、スマホを見る機会がずいぶんと減りました。

あと残されているのは、通信機能の充実です。

アップルウォッチのライバルはアマゾンアレクサとグーグルグラス e-SIM内臓はいつになるのか?

アマゾンのアレクサやグーグルグラスなどに、eーSIMの通信機能がついてくると、ウェアラブルAIとしてのアップルウォッチが、対抗馬として浮上してきます。

そのためには、現在携帯各社の基本料金とは別に支払わなければならない、月々の固定料金をなんとかしなければなりません。

アップルウォッチのみでの契約を可能にして、通信料金は月10ドル未満。日本円で1000円以下。これができれば、スマホからウェアラブルAIへの流れができることでしょう。

グーグルグラスは、撮影機能の搭載で、個人情報保護の観点から頓挫しました。しかし、アップルウォッチなら、カメラ機能がないので、通信機能が充実しさえすれば、グーグルに先んじて、ウェアラブルAIマーケットを押さえることが可能です。

アップルも、スマホの付属品としてアップルウォッチを考えるのではなく、アップルウォッチの付属品としてのメガネ型のモニターを開発すれば良いと思います。

グーグルも、グーグルグラスの撮影機能を廃止して、モニター機能のみの製品を出せば、アップルウォッチに対抗することが出来ます。

重要になってくるのがバッテリー。当初は補完用のサブバッテリーも重要になってくることでしょう。

そこまで考え始めると、十年後、日常使いの腕時計の存在はもはや無いようにも思えます。

腕時計は武士の刀のように、あるいはワープロのように、あるいは黒電話のように、消えていくのかもしれません。

そして、博物館の中で、美術品としての価値を残していくことになるのでしょう。

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