英語の成績が「2」だった私が外資系企業管理職になるための英語学習法
- ずっと英語の通信簿は「2」でした
- NHKの英語講座
- ジャパンタイムスと朝日と日経を読み比べる
- 旅行できたえる
- ウィーンの学生寮で英語を学ぶ
- ロンドンでは日本語漬け
- ウィーンなら月10万円ちょっとでひと月学べます(滞在費込み)
- 外資系企業でも使わないところは使わない
- 40過ぎで始める
- テレビのインタビューがわかるまで40年
- いつから始めても遅くない
目次
ずっと英語の通信簿は「2」でした
この年になってようやく恥ずかしげもなく言えるようになりましたが、高校2年まで英語はずっと「2」でした。
いまでもそれほどできるというわけでもありませんが、外資系企業で管理職を務めていましたので、仕事で英語は使っていました。
海外との電話会議、出張者とのミーティングなどなど。
社内文書も世界各地から入ってくるものは、すべて英語です。
上司はインド人、中国人、フランス人、など多種多様でさまざま。公用語が英語という会社もありました。
英語の得意な人は多く、たいていそのような人はなるほどな、という学習をされているようですが、私の場合、今日に至るまで、勉強らしい勉強はせずに、自己流で英語を使えるようになってきました。
私のような人もいますので、英語がいま不得意な方でも、こんな方法もあると、参考にしていただければと思います。
NHKの英語講座
高校受験のときも英語が苦手科目でした。
英語は毎日継続して何かを続けることが出来る人に向いた科目で、どんな人でも毎日練習していればうまくなると思いますが、子供の頃の私がもっとも苦手だったのが、継続して何かをすること。
中3の進路調査の面談で、あまりのできの悪さに親がようやく気がついて、塾に通いはじめて、なんとか高校へ進学することは出来ましたが、あいかわらず英語は苦手でした。
NHKのラジオ講座をはじめてみても、たいてい5月のゴールデンウィークの連休を境に聞かなくなっていくのでした。
しかし、高校3年生になって、これではいかんと心を入れ替えて、NHKの英語講座を朝聞くことを日課として、とにかく一年間聞き続けました。
すると、あれほど苦手だった英語なのに、英検2級に受かりました。英語で2しかとったことがない私にしてみれば、これは奇跡です。
これで自信がつきました。
残念ながら大学はどこにも受からず浪人生活に入りましたが、英検2級合格は励みになりました。浪人生になってからも、ひたすらNHKの英語講座は聞き続けることにしました。
ジャパンタイムスと朝日と日経を読み比べる
本当は文法の基礎から学ぶべきなのでしょうが、文法と聞いただけで気分が落ち込む私は、とにかく文章を読むことにしました。
家では、朝日と日経をとっていましたが、ジャパンタイムスもとってもらうように親にお願いしました。
私の父は外資系企業で働いていましたので、英語は普通に使えます。
父はいつも家で夕食を一緒に食べていました。当時の日本人としては、定時に帰ることが出来る会社というのは、極めて珍しかったと思います。
私もそれを見て、なんとなく日本の会社よりは外資系のほうが働きやすそうだと思っていましたが、努力はしたくないタイプ。
ずっと英語は見ないようにしてきましたが、このままでは大学にも進学できません。
とにかく朝日と日経を斜め読みしたあと、ジャパンタイムスで同じ内容の記事をわからなくても読み通す、という長文読解の修行を始めることにしました。
私は大学生になったら、世界中を旅行してみたいと思っていました。そんなこどもの頃からの目標を実現するためには、まずは大学生にならなくてはなりませんし、旅行するためには英語が使えるようにならなくてはなりません。
NHKの英語講座を続けることによって、英検2級に受かった私は、ジャパンタイムスを読みこなすことができれば大学にも受かるに違いないと考えて、とにかくひたすら意味がわからなくてもわかっても、毎日読み続けました。
その結果、私は大学には受かりました。でも今から思うに、あまり効率的な方法とは思いません。学校の授業でよくやるように、まずは基礎的な文法を頭に入れてから始めるのが良いのではないかと思います。
英語は結局、河合塾の偏差値が60台にちょっと乗ったくらいのところまでで終わりました。社会科が得意科目で偏差値70を越えていたので、その貢献が大きいのですが、とにかくなんとか早稲田大学に入学することが出来ました。
旅行できたえる
大学生になって、とにかく熱中したのがバイトと旅行です。
大学は夏休み、冬休み、春休みと全部で五ヶ月くらい休みの期間がありましたので、授業のある期間は、ひたすらアルバイトをし続け、休みになると旅に出るということを繰り返していました。
ここで実践的な英語は学んでいきました。
たいていひとり旅でしたので、すべて会話は英語です。NHKの英語講座を真面目に聞いていれば、困ることは何一つありません。
大学生になってから、フランス語講座やドイツ語講座も聞いてみました。
特にマスターするつもりはありませんでしたが、旅先で使えると、一気にフランスやドイツのバックパッカーたちとの距離が近くなります。
ウィーンの学生寮で英語を学ぶ
一番効果があったのは、ウィーンの学生寮での生活です。といってもここで学んだのは英語。学校で学んだのはドイツ語でしたが、寮へ帰ってから、共同キッチンなどで会う人達との会話がすべて英語でした。
ドイツ語を話せる人はドイツ語で話すのですが、私はドイツ語がわからないので、もっぱら英語を使います。日本人もいましたが、ほとんどが旧ハプスブルク帝国下の国々からの留学生たち。時代が変わっても、その影響は変わらないものだと感心したことをおぼえています。
その時出会った人たちとは、その後日本でも会いましたし、いまでもフェイスブックなどで繋がっています。
ロンドンでは日本語漬け
その後、ロンドンの学校へも通いましたが、ここは日本人が多くて、会話はもっぱら日本語ばかり。ロンドンは都会なので、通う生徒もさまざま。官僚や学生やビジネスマンなどに紛れて、私のような大学生もいましたが、授業が終わればみなばらばら。
ウィンブルドンへクラスメイトとサッカーを見に行ったりはしましたが、東京にいるのとあまり変わりませんでした。
留学するなら、田舎がいいと思います。
ウィーンなら月10万円ちょっとでひと月学べます(滞在費込み)
ウィーンは都会でも田舎でもない大きさですが、滞在先がウィーン市の経営する学生寮だったのが良かったのだと思います。
ちなみに、ウィーンで通ったIKIという語学学校は授業料が格安で、かつ寮も格安でした。当時で夏休み5週間で授業料5万円、寮費5万円で、併せて10万円くらいで滞在することが出来ました。
今も同じ学校が同じ場所にあるようで、あいかわらず格安で学ぶことが出来て、学生寮にも泊まれるようです。
ウィーンの音楽大学(ホフシューレ)に通う日本人学生も多く通っていました。
外資系企業でも使わないところは使わない
いくつかの外資系企業で働いてきましたが、スタッフの立場で英語を使うことはあまりありません。
管理職になると、海外からの情報を確認するため、メールなどで英語を使うようになります。
旅行で使う英語と仕事で使う英語は根本的にレベルが違うので、それまでの英語ではまるで役に立ちませんでした。
まず専門用語が頻発しますし、ビジネスで使用する慣用句なども、知らなければ使えません。これは失敗しながらおぼえていくしかないのかもしれません。
しかし、スタッフのうちは特に困ることもなく、ほとんど日本語だけで仕事ができます。しかし、管理職になるとなれば、英語ができないということではすみません。
40過ぎで始める
大学を卒業してから、しばらく英語を使う機会もなく、三十代も終わる頃、外資系企業で管理職として働くことになりました。
それも世界数カ国のメンバーを取りまとめるプロジェクトマネジャーです。
その直前で働いていた組織では、ときどき海外からのお客様と英語で話すことはあっても、技術的なことを英語で説明するようなことは、ありませんでした。
細かい技術的なことはIT部門のエンジニアの人たちが説明してくれるにしても、そこで行われていることがわからないと、仕事になりません。
まず、技術的なことがわからず、さらにその内容が英語で書かれているのでさらにわからず。ここで生まれて初めて英語が本格的に必要となる立場に立たされました。
私が選んだのは、SIMという教材。
CBSニュースを通常の速度よりも速い速度で聴く教材です。
普通の速度でもわからないのに、さらに早くしてわかるのかと思いますが、これが何度も繰り返し聞いているうちにわかるようになるから不思議です。
今は販売されていないのかもしれませんが、これは役に立ちました。
テレビのインタビューがわかるまで40年
結局、最近になってようやく、テレビの英語インタビューなどが、そのまま頭の中へ入るようになってきました。
しかし、それでもぼーっとしていると、そのまま流れていくので、集中していなければ英語の文脈では頭の中に入ってきません。
ところが日本語の場合には、ボーッとしていても頭の中にそのまま意味の塊となって入ってきますので、そこがもともとの母語と外国語との違いなのでしょう。
映画を見ていても、英語のセリフがそのまま腑に落ちる、というのはいいものです。
日本語字幕というのは実によく出来ていて、英語がよくわからなくてもピタリと腑に落ちるように作られています。
しかし、英語がそのまま頭の中に流れ込んで聞こえるようになると、臨場感までもが一体となって感情を揺さぶります。
英語独特のテンポでカットが繋がれていくときに、英語がそのまま入ってくると、その臨場感は日本語で考えながら見るときよりも、少しながら増してきます。
いつから始めても遅くない
最近は仕事で使うこともあまりないので、せっかくわかるようになった英語力が落ちているのではないかと、少し気がかりで残念な状況です。
しかし、実感として英語の学習は、いつからでも学ぶことが出来ると思っています。
もちろん若ければ若いほどいいに決まっています。年をとるとおぼえが悪くなります。
でも、年齢を重ねると、経験が豊富になり、そのおかげでわからない内容でも想像力が働くようになります。
経済的に安定するようになれば、またいつかウィーンの学校へ行ってみたいと思っています。