東海道五十三次18日間ひとり歩き Day7 吉原(富士)ー蒲原ー由比ー興津ー江尻(清水)ー府中(静岡)43k
東海道五十三次 七日目
吉原(富士)ー蒲原ー由比ー興津ー江尻(清水)ー府中(静岡)
歩行距離 四十三キロ
一日の歩数 六万二千五百八十六歩
目次
富士川からの富士山
富士市を出て、富士川を渡ると、後ろに大きな富士山が。くっきりとその全容を見せてくれていた。天気が良いと、景色が良い。これがメリット。
富士川を渡るとすぐに道は高台へと上る。こんなところに住宅街があるのか、と思う反面、よく氾濫したことで有名な富士川を考えれば、川岸ではなく高台に住むのは合理的とも言える。
東名高速越しの富士
旧東海道は海岸線と同じレベルを走る国道一号線と、少し距離を取りながら、高台を蛇のようにくねりながら走る。
新幹線の下をくぐり、東名高速の上をまたぐと、富士市から静岡市へと、行政区が変わる。静岡市に入ったところで、一気に国道一号との合流に向かって、急勾配を下る。
蒲原宿
国道一号の一本裏通りといった風情の旧東海道だが、メインストリートの座は完全に国道一号にとられている。国道一号線には全てがあり、旧東海道には取り残された集落が残る。
若者が寄り付かなくなったその場所は、取り残されたおかげで、海外からの旅行者が好む、観光スポットへと姿を変えている。欧米ではなく、アジア系の旅行者を何人も見かけた。このあたりに来る人は、リピーターであることは間違いない。日本橋でスマホ片手に買い物尽くしの人とは、顔つきが違う。訪れる場所で、旅行の達人度レベルがわかる。
由比の宿
由比の宿まで来たころには、あまりの暑さで気分が悪くなり、日陰のベンチで体を横たえた。靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、足裏、ふくらはぎ、足首など、ひと通り揉みほぐした後、人目をはばからず、ザックを枕に横になった。
薩埵峠
由比の宿の先は、徐々に平地が狭まる。東名高速は海の上に突き出している。家々も斜面にへばりついている。パーキングエリアから、崖に張り付いている集落を眺めていたが、案外こちら側はコンパクトに家々が収まっている。
由比ヶ浜から先は断崖絶壁が東海道を阻む。江戸時代に起きた地震の影響で、海岸線が持ち上がり、ある時期からは海岸線も通れるようになったらしい。それを下道という。それまでは上道の急坂を越えなければ、清水方面へは出られなかった。
古くは足利尊氏と弟直義との戦い。戦国時代には、今川に対して武田が駿河侵攻を試み、ここで今川軍と戦っている。今では人一人がやっと通れる細い道だが、当時はある程度の道幅があったのではないかと思う。そうでなくては、刀も槍も持ち運ぶこともできない。
由比ヶ浜から薩埵峠まで、急な峠道を上り、山道を歩き、すっかり疲れ果ててしまった。薩埵峠から清水市だったかと思うが、そこから隣の静岡市までが、遠い。疲れ果てた後の、最後、清水からの十二キロがとんでもなく長かった。いくら歩いても静岡にたどり着かない。
静岡の中心部手前で、あたりはすっかり闇に包まれた。静岡ほどの大都市でも、郊外に行くと街灯のあかりもなく、真っ暗闇を手探りで歩くことになり、びっくり。
出発はいつもより早い七時だったのに、到着は日もすっかりと暮れた十八時半。休憩も入れて、半日も歩く結果となった。
東海道五十三次 十八日間 ひとり歩き: ロングトレイル 600キロ
- 作者: 有栖川豪
- 出版社/メーカー: General Intelligence
- 発売日: 2018/10/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る