東海道五十三次18日間ひとり歩き Day3 戸塚ー藤沢ー平塚 28k
東海道五十三次 三日目
戸塚ー藤沢ー平塚
歩行距離 二十八キロ
一日の歩数 三万九千百二十九歩
目次
雨の戸塚
今日は午後から関東地方で土砂降りのゲリラ豪雨の天気予報だったので、ホテルで朝食をとると、慌てて部屋を出た。
雨のせいか、国道の車列は、戸塚を出発して以来、途切れることがない。上下方向とも、数珠繋ぎだ。人は車の中で何を考え、何を待っているのだろう。
途中、雨がパラつき始める。こうしたときこそ、カサの出番だ。カッパと違ってサッと取り出し、広げることができる。それにしても、モンベルのカサの秀逸なこと。一日中雨であれば、数時間のあいだ、ずっと持ち続けることになる。それでもまるで苦にならない。軽いのだ。わずかに八十六グラム。
カサならスマホも使いやすい。位置情報を確認しながら進むので、カッパやポンチョでは、ときどきスマホを取り出し、画面を見て、操作して、しまう、といったことがしにくい。濡らすと壊れるので、事実上出来ない。
マメが痛い
藤沢市内に入ると、車の動きは、徒歩の私よりも遅くなる。そして、私の足も、そろそろ痛みが増して、心なしか、地表からの引力が倍増し、花道を歩く力士のような歩き方となる。
かれこれ数年もの間、山へ出かけたり、冬のスキー場へ出かける時、スノーシューズの代わりも務めてきた、愛着あるトレッキングシューズ。今まで、マメなど出来たことがなかった。にも関わらず、右足に四つ目が、左足に二つ目が、足裏で騒ぎを起こすようになった。今日になって、かかとにまで痛みを覚えるようになっている。
今日で三日目。事前の足慣らしも入れれば、四日目。自体は悪化するばかりだ。朝方、歩き始めは少し良い。今日は大丈夫かな。行けるかな。かすかに思う。しかし、予感は現実へと変わる。十キロを越えるとそろそろと主張を始める。この旅のプロジェクトマネージャーとしては、靴そのものが、旅の予定に影響を与えかねない、ボトルネックとなりつつあった。
チャコの海岸物語が頭の中で回る
藤沢市内を抜けて、しばらくすると、チャコの海岸物語が、頭の中でまわりはじめる。江ノ島だとか、茅ヶ崎だとか、道路標識を目にすると、サザンオールスターズのメロディーが、頭の中のターンテーブルの上を、くるくるまわりはじめる。
歩いていると、時間はたっぷりある。でも、そんなに幾つものことを考える余裕があるわけでもない。次の信号のタイミングを計ったり、雲の様子で今後の天気を予想してみたり、後ろからくる自転車に脅かされたり。どうでも良いことが順番に起きて、順番に解決されて、気がつくと次の街に着いている。
平塚のららぽーとで靴を買う
劇的なことが何一つなく起きることのない、今日という一日。もくもくと、相模川にやってきた。ここを越えると平塚。今日のお宿、平塚の宿だ。ホテルの位置を確認していると、ほど遠くない画面の右上に、ららぽーとを発見。ホテルにチェックインしたあと、ららぽーとへと向かう。午後二時。雨が少しずつ強くなってきた。
いくつものアウトドアショップが並ぶ。某靴チェーン店は各駅停車のように、各駅ごとにあるが、専門的なトレッキングシューズは置いていない。ららぽーとにならある。確信して店内に入ると、あった。モンベル、エルエルビーン、コロンビア、スポーツ専門店、某靴チェーン店、東急ハンズ。
今履いているハイカットが非常に重いので、ローカットにした。ローカットだと捻挫する可能性があるので、サポーターも買った。防水、トレッキングシューズだけれども、クッションが効いていて、軽い。近所の駅の某靴チェーン店には売っていなかった。うちから、ららぽーとは遠い。行っている時間もなかった。なので、平塚にららぽーとがあったことはありがたい。これで一つボトルネックは解消した。たぶん。と思う。
一日の終わりに思いがけないイベントが待っていた。もっとも重要なプロジェクトの成否を決めるツールの交換。
明後日は箱根の峠が待っている。明日は一日中雨の予報。靴の選択が試される一日だ。
軌跡をたどると、色がグリーンで始まり、イエローに変わっている。これが速度を表している。歩き始めは早く歩いているが、後半速度が落ちるとイエローに変わる。これが、さらに遅くなると、レッドとなる。二十キロ程度であれば、グリーンで行きたい。速度はマメとアメの影響を受けるので、新しい靴に期待したい。
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