Windows95が出た頃

今週のお題「わたしのインターネット歴」

 

九十年代のお話。新卒で就職してしばらくたった頃、システム会社に勤め始めた友人との話。

メールという便利なものがあるんだよ。

企業にメールを使うことを勧めているのだけれど、なかなかわかってもらえない。

それはどんなものなの?

FAXのように文章が送れるんだけれど、パソコン上で見られるんだ。それも紙を使わずに、電話のように受け答えができるんだ。世界中どこにでも、瞬時に送れる。

費用が高いんじゃないの?

使用料はかからない。無料なんだ。もちろん導入費用はかかるよ。でもいくら送ってもただなんだ。いつでもすぐに相手にメッセージが届く。

そんなうまい話、誰も信じないよ。怪しいな。

そんな話をしていたのが、九十年代のはじめのころ。地球の裏側に連絡するときは、KDDのオペレーターに頼んで電話をしていた人がまだいた時代。

やがて、しばらくして、OSでウィンドウズ95が発売されることになり、ビル・ゲイツが横浜で講演会を行うことになった。早速その友人と話を聞きに行った。この頃私はマックを使い始めており、メールも使うようになっていた。でも、携帯電話はまだ本格的には普及しておらず、電話機本体が十数万円。通話料が数秒で十円かかっていた。庶民が節約のために、ポケベルと携帯電話を併用していた頃だ。

ビル・ゲイツの話を聞いてみても、ウィンドウズがマックとどのように違うのかよくわからなかったが、ウィンドウズ95の発売を境に、マックとウィンドウズの立場が逆転し始める。

ウィンドウズ95が出るまでは、会社でもパソコンよりはワープロを主に使用していた。ワープロとパソコンの違いを理解している人は、ほとんどいなかった。

メールを送信すると、電話回線を通じてモデムがプロバイダーに繋がり、ピーヒョロヒョロと音をたてた。つながったことを確認してからメールの送信ボタンを押すのだが、送信される文字が、画面上で走っていくのが見えた。文字通り画面の上で行ごとに流れていくのだ。ミミズがにょろにょろと走るかのように。

それがわずか二十年前。これから二十年もすると、今まで以上に劇的な変化が起きるのだろうな。誰も通勤しない時代がやってきて、PCにはモニターもなく、自宅に仕事部屋を持ち、通わずに働くことが一般化するような気がする。

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最近、ちょっと先走ってそんな生活を始めている。