超一流は呼び捨て、一流はさん付けで呼ばれ、市井に生きるとき先生になる
- 呼び捨ては超一流の証
- 一流は「さん」付けで呼ばれる
- 「先生」と呼ばれたら相手に気を使わせている
- 常にマウント状態の「先生」
- 「先生」の敬称に毒されない
- 平成生まれはマウントしない傾向。フラットな関係。
- 「先生」と呼びたくなる人格者
目次
呼び捨ては超一流の証
これは多くの分野に共通することで、超一流だと大衆から「さんま」、「たけし」と呼び捨てにされます。
「イチロー」、「おざわ」、「だざい」など、スポーツ、芸術の分野などで、巨匠と呼ばれる人たちは、大衆から呼び捨てにされる宿命を持っています。
「たけちゃん」などと、見も知らぬ人からちゃん付けで呼ばれることもあります。
これも、超一流の証です。
一流は「さん」付けで呼ばれる
これが一流になると、さん付けで呼ばれます。
公的な有名人になっているため、周囲の人も接するときには丁寧に呼びかけます。
「さんまさん」、「たけしさん」と呼ばれ、メディアなどから声がかかり、テレビ番組に出演するようになります。超一流の一歩手前です。
「先生」と呼ばれたら相手に気を使わせている
一流にならない人は、先生と呼ばれます。
「〇〇先生」と呼ばれて、大学や各分野における専門学校などの先生となり、講師業で身を立てることになります。
テレビ局の番組に出演する弁護士、大学教授などを見ているとその反応で、その人がどのような立場を日ごろ経験している人物かがわかります。
お笑い番組に出ている弁護士を一流と呼ぶかどうかは別として、「〇〇さん」と呼ばれても、普通に反応しています。
その場で受けるトークができるかどうかで勝負しているため、弁護士としての勝負とは言えませんが、メディアに身を晒しているだけあり、自分自身を客観的に捉えることに、慣れているように見受けられます。
常にマウント状態の「先生」
特にNHKでは、「先生」と呼ばれる職業の人に対して、「さん」付けで呼ぶ慣習があるようです。それでも、ときおりその威圧感からなのか、個人的な師弟関係にある方なのか、取材者が相手のことを「先生」と呼んでしまうことがあります。
このとき、狭い身内だけの世界で生きている人は、一瞬ほっとした表情を見せ、公的な立場に慣れていないことを視聴者に伝えてきます。
これは、日頃先生と相手に呼ばせることで、人間関係を常にマウントした位置から始める人特有の反応で、「先生」と呼ばれないと、不安になってくるのです。
並列の関係に慣れている人は、「〇〇さん」と呼ばれても、普通にそのまま会話が流れていきます。
マウントしがちな「先生」も、一流ではなくとも、一般人よりはその分野における習熟度は進んでいます。
従って、年下でも、未成熟な人であっても、生徒の立場になったときには、教えていただく都合上、自分と並列で語るには失礼なので、生徒側は先生と呼び、一歩自分自身を低い位置に置きます。
「先生」の敬称に毒されない
しかしながら、この「先生」という敬称は厄介です。いつの間にか、呼ばれている人の気持を高い位置に持っていきます。
知らず知らずのうちに、人間関係をマウントした状態から始めることが日常となります。「先生」という呼称は、呼ばれている人の言動を、常に高い位置から語らせる作用が働きます。
たいした技術や技能を持っていない人でも、毎日繰り返される反復学習から「先生」と呼ばれることによって、そのマウントしがちなポジションに慣れていきます。
そして、なにか一つの技能の習熟度が高いだけで、他の一般的な日常動作ができなくても、「先生」としてのマウントした振る舞いが板につき、横柄さが痛々しくなってきます。
平成生まれはマウントしない傾向。フラットな関係。
医師、弁護士、政治家、会計士、税理士、学校教師、大学教授、小説家など。常時相手にマウントしてくる人の、ほとんどが「先生」業です。
ただ、最近の若手の専門家の場合、傾向が変わってきており、マウント癖は、昭和生まれの人たちよりは、少なくなっているような気がします。
先輩後輩の上下関係も昭和時代ほどではないようです。
しかしながら、ことスポーツ界では、「先生」が相変わらず幅を利かせているようで、パワハラの嵐はやまないようです。
超一流だった人が「先生」と呼ばれるようになったときには、対応の仕方が難しいので、さらに配慮が必要です。
超一流の高みを近くで見たにもかかわらず、ふもとに降りてきたところで、人間性に磨きがかかっていればよいのですが、ただ屈折しただけの人物の場合は厄介です。
「先生」を連発して、そのプライドを満足させてあげなければなりません。
まったく、日本語はむずかしいし、めんどくさい、と思います。
「先生」と呼びたくなる人格者
しかし中には、こころから「先生」と呼びたい人もいます。
一流になればよい、一流を目指すべき、ということではありません。
市井で立派に生きることこそが、ひとの目指す道。
そんな素敵な先生は、決して威張らず、マウントするような事はしません。
私はそのような人物を「先生」とお呼びしたい。
幾人かの「先生」を思い浮かべ、そう思います。
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