クレジットカードは、何よりもブランド力が大事と思う 安心を買うということ
新婚旅行で欧州を旅したときのこと。新婚旅行ではあったが、いつもの気分でバックパック一つででかけた。夫婦揃ってバッグ一つずつ。しかし、新婚旅行ということもあり、すべて四つ星ホテルに予約を入れた。
初日のパリのホテル。オペラ座近くの一等地に建つホテルだ。チェックインのために、手続きをしている人の後ろで待っていたが、私達のあとからやってきた初老の夫婦が先に呼ばれる。
そして、そのあとも呼ばれるかと思ったが、無視される。声がかからない。仕方ないので、初老の夫婦が終わるとカウンターヘ向かいチェックインを依頼した。
一瞥されながらも、ようやくチェックインできた。
しかし、部屋が建物の隅っこのあまり良いとは言えない部屋だった。キーを渡してもらうことは出来たが、釈然としなかった。
さすがに、四つ星ホテルにバックパックはまずかったかなと思い、パリの空港で少々値の張った、ブランド品の大きなカバンを購入した。バックパックは世界中を一緒に旅した大切なものなので、カバンの奥底に仕舞い込んだ。
次の訪問地である、イタリアのフィレンツェ。ここも四つ星ホテル。
ここでとんでもないことを言われた。
予約はない、と言われたのだ。予約の確認書を見せてもだめだった。バッグはブランド品だったが、服装がバックパッカーに近かった。
またかよ、と思ったが、フィレンツェのホテルは、日本のアメックス経由でようやく予約できた四つ星ホテルだ。当時はウェブで直ぐに別のホテルの予約が取れる、という環境ではない。おまけにハイシーズンでどのホテルも混んでいた。
そうだ、と思い直し、アメックスのゴールドカードを渡して聞いた。アメックスから予約が入っているはずだから見てください、と。
失礼、お名前がありました、と、五秒後に返事が来た。
このような経験をしているので、クレジットカードはそのカード特有のサービスやコストパフォーマンスだけではなく、そのカードを持つことによって得られる見えないベネフィットを考えるようにしている。
次に、日本国内で考えてみる。
お店の人が海外からの旅行者と接したときのことを想像してみよう。出身各国では有名な銀行かもしれないが、日本に住む私達が、まるで知らない銀行のクレジットカードと、アメックスやダイナースのカードを出されたときに、どちらが安心か。
これはステータスの問題ではなく、受け入れ側の安心感の問題だ。アメックスやダイナースの審査に通っているから、少なくとも踏み倒すことはないだろう、と無意識に値踏みするのではないか。
大学を卒業後、最初の就職先がアメックスだった。新入社員研修でクレジットカードとはなにか、についてかなり深い研修を受けた。日本国内で使用する限り、機能については、どのクレジットカードでも年会費相応にサービスが充実していると思う。
しかし、海外へ行ったときの安心感はブランドによってまるで違う。
決済機能だけを考えるなら、どのブランドでも良いと思う。しかし、緊急時になんとかしてくれる、助けてくれるクレジットカードは少ない。
アメックスOBの集まるヤメックスという集まりがある。みなさん退職後は、外資系企業や他のカード会社へ転職していく。日本企業にいると感じることは少ないが、外資系企業の中でのアメックスの評価は高い。それは、高品質なサービス、ブランドマーケティングについての経験を積んだ、ということが、高く評価されるからだ。
海外へ出かけることがよくあり、緊急時に自分でなんとかしなければならないことに出くわす可能性の高い人は、アメックスを一枚持っていると安心だと思う。これは単にOBだからということではなく、経験上、何度も救われたことがあるので、そう思うのです。
アメックスのことをとても良く研究されているので、オススメです。