副業がダメでも世帯年収で生きていく

独立神話

社会人になれば、独立して親から離れて住むことが当然、という風潮があります。

でも、それは経済が拡大していた時代の、残像なのではないかと思っています。

アジアを旅していると、商店の軒先でのんびりと椅子に腰掛けて、外を眺めているおじいさん、おばあさんがいます。

日本でも昔はよく見かけた光景です。でも、最近はあまり見かけることもありません。

資本家の思惑

世帯が分かれると、消費が増えます。

世帯数分だけ、家が売れ、車が売れ、付随して様々なものが売れます。

独立する世帯が減ると、消費は落ち込みます。

親子孫の三世代で同居されると、新しい家は売れません。車も一台で十分です。

親が年老いて、亡くなれば、その家を子が引き継ぎ、やがてその家をその孫が受け継ぐ。そうして代々日本人は田畑家屋敷を子孫に残してきました。

労働者の育成

労働者を確保するためには、学生期の終わりに、親から子を引き剥がす必要があります。独り立ちさせて、組織に依存する状態を作ります。

住宅ローンは、労働者を束縛するのにうってつけのツールです。

学校を卒業して、家に仕事があれば、その仕事を手伝ったかもしれません。

しかし、大抵の場合、どこかの組織で職を得ます。

結婚して、家を買って数千万もの借金を負わせてしまえば、もう生活を変えることは出来ません。

もしも転職に失敗すれば、借金を背負ったまま露頭に迷います。

そして空き家だらけになった

その結果、日本中が空き家だらけになりました。

就職して、自分の家もあるのに、数十年も経たのちに、今更親と生活をともにすることなど出来ません。

同居が前提であれば、まだ余力のあるうちに建て直して、同居することも出来たかもしれません。

そうすれば、オレオレ詐欺もこれほど数多く発生することはなかったことでしょう。

介護の問題も、年金の問題も、家族が協力して対処すれば、なんとかなったことでしょう。

でも、日本は結果的に、核家族を大量に生産した結果、オレオレ詐欺、介護、年金の問題であとから苦しむことになるのです。

大家族の時代

これからは、再び大家族の時代へと回帰していくことでしょう。

でもそれは、血縁で出来た家族とは限りません。

シェアハウスのように、住居をともにする仲間かもしれません。

かつてのような、親子孫の三世代間の協力関係も復活することでしょう。

東京郊外の、中野、杉並、練馬には、二世帯住宅が数多く建てられています。

親の手助けがなければ、子供を複数人育てることは不可能です。

親の土地をうまく利用して、家を建て、三世代が仲良く同居しています。

都心のマンションに住む核家族世帯は、その子がたとえ結婚できたとしても、引き継ぐ家はありません。

マンションである限り、いずれ廃墟となります。

子が親になる頃には、住むことが難しくなっているかもしれません。

疑似家族

十万円の収入しかない人でも、五人集まれば総収入五十万円になります。

一人で家を借りて、月十万円で生活しようとするから、貧困に陥るのです。

五人の仲間が集って協力すれば、月収十万円でも、結構な生活が出来るはずです。

それがまた、新しい令和の時代の生き方なのだと思います。

ライフプランニング 初級編

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