スマホのない生活

   最近スマホのない生活に憧れている。もちろんそれが難しいほどスマホは私たちの生活に入り込んでいる。スマホのない生活。例えば、朝ジョギングしている時は、スマホを持たない。以前はスマホで走った距離を計測していたので、ポケットの中で、邪魔だなと思いながらも身につけていた。

   これがアップルウォッチを手に入れてからは、持たなくなった。GPSが内蔵されているので、距離も時間も走ったルートも記録されている。

   平日は近所を回るだけだが、休日は少し足を延ばす。LTEタイプではないので、電波が必要な機能は使用できないが、コンビニでポカリスエットを買うことはできる。スイカなどは電波で繋げなくても使えるのだ。これがLTEタイプだと、電話もできるし、音楽を聴くこともできる。ただし、バッテリーがまだ弱いので、せいぜい二、三時間。でも、走っている間と考えれば十分だ。

   しかし、私は結局LTEタイプではなく、GPSのみのタイプにした。結局のところ、スマホなしでは不便で、アップルウォッチだけ着けて出かけるのは、走って回れる範囲のことだからだ。

   アップルウォッチには一度繋がったワイファイと再接続する機能が付いている。一度試しにGlocalMeとアップルウォッチだけを持って買い物に出かけてみた。あっさりとスマホなしで、フェイスタイムで自宅と連絡が取れた。同期していれば、家のアイパッドでも同じことができる。同じ仕組みだ。

   海外へ出かけた時に、ワイファイを持たないと、スマホのない生活が一瞬訪れる。結局のところ、スマホはネットに繋がっていなければあまり大した意味を持たないデバイスだ。スマホのない時間は、脳が動いていることを実感できる。ネットに繋がらなくても、自分の頭で考えて、感を働かせれば良いのだが、今やスマホなしで外国に行くことなど考えられない。実際に、バスの予約から、飛行機のチェックインまで、スマホがないとどうにもならないことが多々ある。

   先日行ったプラハでも、スマホのおかげで空港の長蛇の列に並ばずに事前チェックインができたし、郊外へ出かけるためのバスの予約が、前日現地に入ってから、その翌日の便が座席指定も含めて、できた。

  スマホは今や、地図であり、本であり、ラジオ、音楽プレーヤー、カメラ、ビデオカメラ、映画館、歩数計、電話、PC、クレジットカード、ATM、財布、定期券、スイカなどなど、上げていくときりがないほどの機能が詰まっている。

   結局無理なのかな。スマホのなかった時代の感覚がもう思い出せない。