不動産と学区の関係
目次
国立附属と公立小
東京の文京区茗荷谷駅周辺には国立大学の附属小学校が三校集中しています。それぞれの学校は、受験する際に通学時間の上限が定められているため、受験をするときには、学校の指定する範囲に住む必要があります。
さらに、附属幼稚園の場合には、園児が歩いて通えることを基本に考えているため、学校の周辺に住まないと実質的に受験することができない、ということになります。
文京区の地価は、港区などに比べると、低くなっていますが、ここ数年の状況は、数年前からは想像もできない状況で、家族で住むのに適した3LDKのマンションを新築で購入しようとすれば、1億円近い値段となっています。
国立大学の附属学校は、誰でも平等に受験できることが良いところでしたが、今や文京区周辺に家を購入できる人、または親から相続した家に住むことができる人、のみが通える学校となりつつあります。
その点、私立小学校は、学区の指定などがあるという話は聞きませんので、学費さえ支払えるのであれば、誰でも受験できるという状況で、ある意味、国立と私立の存在意義が逆転している状況になりつつあります。
国際学校への変更で人気上昇の港区立東町小学校
港区立東町小学校は、2000年代の初め頃には1クラスしかない学年もあるほどの、人気のない小学校でした。ところが、国際教育を行う公立版のインターナショナルスクールになる、ということが発表されてからは、急速に人気が高まり、今では学区外からの入学が難しい状況となっています。
東町小学校のすぐ近くには、本村小学校があります。どちらかを選べる状況であれば、本村小学校を選ぶのが一般的でした。本村小学校からは、人気の高陵中学校へ自動的に進学できるからです。
一方、東町小学校の場合は、六本木中学へ進学することになります。高校の進学先を比べると、高陵中学の方が良いため、インターナショナルスクールになる前までは、本村小の方が人気でした。
高止まりの不動産賃料
東町小学校の人気の高まりにより、港区南麻布は家賃が高止まりしています。
周辺の白金、三田地区よりもともと賃料は高く設定されていましたが、中でも家族で住めるサイズの賃貸住宅はなかなか見つかりません。
仮に見つかったとしても、築年数がかなり古い場合や、家賃も30万円を超える金額となり、手頃に住むことは難しい状況です。
良い公立学校の学区に住むと投資効果抜群
国立大学の附属小学校や、東京都のモデル校などに進学できれば、私立学校へ高い学費を支払って通う以上の教育を、子供に受けさせてあげることができます。
それを考慮に入れれば、そのような学校へ通うことができる不動産の価格や賃料が、たとえ周辺地域より高いとしても、学費として支払ったと考えれば、総支出は抑えていることと一緒です。
インターナショナルスクールへ進学すれば、年間の学費は200万円程度はかかることでしょう。これを家賃やローンに換算すれば、月々15万円以上の学費の節約につながっていると考えることができます。
学校は、将来にもわたる子供の友人ネットワークを育みます。
長いスパンで考えた時、人気のある学校へ行くために高い賃料を支払ったり、高い不動産を購入したとしても、時間が経てば元が取れると言えます。
評判の良い公立学校のある地区に家を買う、ということは、不動産購入時に必ず確認しなければならない重要事項であるということが言えます。