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ライフプランを考える

就職、結婚、出産、進学、転職、異動、転勤、定年。身の回りで環境が変わるとき。ライフプランを見直すチャンスです。

人生すべてが思い通りに行く人などいません。

人生の岐路に立ったとき、ライフイベント表を作成すると、気持ちの整理ができます。

生まれてから今まで。そしてこれから。一枚のシートに今までの自分の歴史を書き込んでいきます。

すると、過去から現在、今までの出来事が一望できます。

一枚のシートに自分の歴史を書き込んでいくと、いろいろな思い出が蘇ります。大変だったこともあったはずですが、思い出すのは不思議と楽しかったことばかり。

どのような人生を送りたいですか?

夢は?

挑戦したいことは?

これからどんな楽しい出来事が待っているのでしょう。

家を買ったり。旅行にでかけたり。新しい出会いが待っているかもしれません。

様々な出来事、ライフイベントを経験しながら、人は生きていきます。

毎日のくらしの中で、人生の終わりを意識することはないでしょう。いつまで自分が生きるのか。だれも知りません。でも、ライフイベント表のどこかに、あなたの人生の終着点は刻まれているのです。

あなたが大学生なら、まだ60年くらいあるのかもしれません。でも、あなたがすでに定年を迎えているのなら、残された時間は10年あまり、かも知れません。

桜の下でお花見ができるのも、あと十回ほど、だとしたら。一年一年がとても貴重な時間に変わります。

ライフイベント表を作成して、限られた時間を意識してみてください。

すると一日一日が、とても充実した、楽しく、輝く毎日に変わります。

限られた時間を意識する。

人生100年時代を楽しく生きるためのツール、ライフイベント表。

あなたに夢と希望を与えてくれることでしょう。

キャッシュフロー表をつくる

1.時間とお金を管理する

ライフプランを考える上で指標となるのは時間とお金です。時間を表すライフイベント表が準備できたら、次にお金の流れを表すキャッシュフロー表を作ってみましょう。

キャッシュフロー表はお金の出入りを把握するためのもの。年間の収入と支出、貯蓄をまず紙に書き出してみましょう。そして、それをライフイベント表の上に書き入れていくと、今後、いつどれくらいの資金が必要か見えてきます。

ライフイベント表とキャッシュフロー表を詳細に分けて作る場合もありますが、まずは一枚の紙の上で作成してみましょう。そして、この二つの指標を元に人生を考えます。

会社員であれば、おおよその生涯収入は想定できます。しかし、変化の激しい昨今の状況では、賞与減、配置転換など、突然の変化が訪れることも珍しくありません。

しかし、ライフイベント表を前にして、自身に起きた変化を客観的に見られるようになれば、どんな変化も一つの修正作業ととらえることができるようになります。

例えば、子供ができたとします。これを数値化すると、人によっては配偶者の収入減と家計支出増を意味するかもしれません。収支の面だけを見ればマイナスです。しかし、幸せは確実に増していることでしょう。

ライフプランを考える上で重要なのは、数値化できる時間とお金を管理することです。指標に振り回されるのではなく、自分にとって大切な価値を守るために、この二つの数値を管理するという心構えが重要です。

2.三大支出 住宅費、教育費、老後費用

人生を大きく左右する三つの大きな支出。それが、住宅費、教育費、老後費用です。

かつては、生活費、住宅費、教育費と言われましたが、最近は人生百年時代を見据えて、老後費用を上げるケースが多いので、そのように変更しています。

これらの三大支出(四大支出)を管理することが、人生を通してお金の出入りを管理し、ライフイベントをうまく乗り切るための鍵となります。

 時間とお金を管理する。

ライフイベント表をつくる

ライフプランは家族構成、目標によって内容も考え方もさまざま。みなさんもライフプランニングを行い、自分と家族の未来を具体的に考えてみましょう。

ライフプランを考えるための第一歩。それが、ライフイベント表の作成です。まずは、ライフイベント表がどのようなものか、確認してみましょう。

1.ライフイベント表とは?

ライフイベント表をご覧になったことはありますか?

一生分の時間を一枚の表にして、その上にさまざまなライフイベントを書き込みます。

誰も自分の未来はわかりません。しかし、一枚のライフイベント表を作成することによって、自分の人生を客観的に考えることができます。

価値観はひとそれぞれ。経験によって変化します。結婚、出産、転勤、定年、介護など、様々な経験を重ね、節目を迎えるに従って変わります。 

しかし、生きている限り、目の前に待ち受ける時間は有限です。その時間をどのように使うか。ライフイベント表を目の前に置き、人生の残り時間を目で見ると、今の生き方、この先の行く末を具体的に考えるようになります。自分にとって本当に大切なものが何かを考える、これがライフイベント表をつくる一つの大きな目的です。

2.ライフイベント表の作り方

ライフイベント表の作成には表計算ソフトを使用すると便利です。作成時には重要な項目を書き出しておいて、表の中に見落としなく入れるようにしましょう。

まずは長期的な視点を持って作成してみましょう。時間は年単位が良いでしょう。収入は手取り年収、支出は実際の支出をもとに考えるとわかりやすいでしょう。ポイントはあまり深く考えこまないこと。始めから完全なものはできません。まずは収支の全体像をつかむように心がけましょう。

時系列で考える上で家族の情報は欠かせません。家族の年齢の一覧や、ライフイベントである、こどもの進学、就職、結婚、夫婦の定年。また、両親の状況、介護の状況なども想定して記入すると、常に家族の存在を意識することができます。

大切なのは時々見直すこと。一年に一度は見直すべきです。お正月などの節目の時期を利用して、過去の一年を振り返り、新しい年を迎えるための、家族のイベントにするのも良いかもしれません。

 一生の時間を目の前で感じてみる。

20歳代のライフプラン

人生の節目で変わるライフプラン。状況の変化によって、マネープランも変わります。まずはライフプランニングの出発点となる二十歳代を考えます。

1.自己投資と貯蓄

就職と同時に始まるのが将来への準備。初めて手にするお給料をどのようにするか。最初の心構えが大切です。 

社内人脈作りと言いながら、毎晩飲み歩く人もいますが、それが出世につながったのも終身雇用制度が機能していたころのお話。もはや、現在の上司がその後も上席であり続ける時代ではありません。

20歳代は学習の時期。仕事で必要な知識、経験を積み重ねる時です。目標を定め、次のステップに向けて、今学ぶべきことを考えましょう。

将来を見据え、自己投資出来るのがこの時期。研修会、講習会、勉強会など、必要なものはコストではなく投資と考えましょう。その投資が後々何倍にもなって返ってきます。

 20歳代は自己投資

2.貯蓄は子供が出来るまでに

結婚して子供が出来ると急に支出が増えます。結婚の時期にもよりますが、子育て中の30歳代から40歳代は余程の高収入でもない限り貯蓄が難しくなります。

また家を購入する場合、頭金が必要です。数百万円もの頭金は計画的に準備しなければすぐには貯まりません。

実は結婚前の20歳代が一番貯蓄ができる時期。この時期にお金を大切にする姿勢を身につけ、貯蓄を始めることができれば、30歳代、40歳代で様々なマネープランを考えることが出来るようになります。

 計画的に20歳代から貯める

3.長期投資を意識する

20歳代は給与水準が低い代わりに、長い運用期間が残されています。結婚前であれば子供が中学に入る時期を考えても、最低十年以上の時間をかけて運用することが出来ます。

基本的な貯金は必要ですが、ある程度の金額を確保したあとは、株、投資信託などのリスク性商品を試してみましょう。その経験の中から自分なりのルールを見つけることが出来るでしょう。相場の変動に過剰反応してしまうタイプなのか、平常心が保てるタイプなのか。新たな自分を発見出来るかも知れません。

 20歳代は長期投資を心がける。

4.天引き貯金

お勧めなのは、毎月一定額を積み立てる方法。自分の給与から毎月定額を貯蓄に回し、残金で生活するようにしてみましょう。

必要なものを差し引いた残りを貯金するのではなく、収入から決まった金額を支出に優先して貯めるのがポイントです。

積立方法は様々です。最近は銀行で積立保険、投資信託など様々な商品が購入できるようになりました。興味のある商品があれば、金融機関で理解、納得できるまで質問することをお勧めします。

 積立の自動化を心がける

5.20歳代の住宅

不動産価格が右肩上がりだった時代。土地神話が生きていた頃は、20歳代で結婚後に、マンションを購入。子供が増えて部屋が必要になる頃、一戸建てに買い替えというのが理想とされていました。

しかし、それも過去のお話。これからの住宅事情を決めるのは、人口減による住宅需要の低下と老朽化した物件の行方です。買うか借りるか。これからの20歳代にとって、大きなテーマとなりそうです。

6.20歳代の投資

リスク性商品で投資を考えた場合、どのような選択肢があるのでしょう。

手軽に始められるのが投資信託。ネット証券会社で申し込むと家で簡単に購入することができます。まずは地道に投資信託で定額の積み立てから始めてはいかがでしょうか。

ドルコスト平均法など、リスク分散の方法については、運用をしながら徐々に知識を身につけていくのが良いでしょう。

7.20歳代の保険

自動車保険、火災保険などを別にすれば、結婚前の 20歳代にとって、保険は実感のわかない遠い存在です。

ただ、一度病気になると生命保険は加入が難しくなります。将来に備えて、少額でも死亡保障には加入しておくのがよいでしょう。

20歳代でも結婚して子供ができた後は、状況が異なります。家族が困らないように、しっかりと将来を見据えてプランを考える必要があります。

30歳代のライフプラン

仕事を覚え企業の中堅社員となる30歳代ですが、プライベートではシングル、夫婦二人、子育て世帯と状況は様々。そんな30歳代のマネープランについて考えます。

1.シングルのマネープラン

堅実に貯蓄を続けた人なら、年収程度の貯蓄は出来ている頃。これを元手に将来のマネープランを真剣に考える時期がやってきます。

独身であれば、支出を意識して抑え始めるころ。定年後をどう生きるか。ちょっと早い気もしますが、長期的なライフプランを考えることが大切です。

現在独身でも、今後結婚して子供が生まれるとすれば、大学進学の頃にはちょうど定年を迎えているかもしれません。

また、親の介護も気になります。50代、60代で迎える親の介護は精神的にも肉体的にも重い負担になります。

いずれにしても、今から出来る対策は貯蓄です。独身時代は給与が増えると、比例して支出も増えるものです。意識して節約する心がけが求められます。

老後資金を今から貯めるなら、投資信託や年金型保険などが候補となるでしょう。20年以上の時間をかけてゆっくり育てる気持ちが大切です。短期的な増減に振り回されるのではなく、気長に待つ姿勢が求められます。

 シングルは意識して節約する。

2.夫婦二人のマネープラン

経済的に最も安定するのが夫婦共稼ぎ世帯。将来に向けて様々なライフプランを考えることが出来ます。

夫婦二人の生活を充実させたい場合は、二人でかなえる夢を持ってみてはいかがでしょう。

海外旅行へでかけることや、高級自動車の購入も楽しみのひとつになりますが、資産形成につながることを検討してみてはいかがでしょう。

例えば、お気に入りの場所を探して別荘を建てる。そのために週末出かけ、物件を探すことも、楽しみの一つになります。これなら夫婦で過ごす充実した時間を手に入れながら、購入代金も資産として残すことができます。

 資産作りを二人の楽しみにする。

3.子育て世帯のマネープラン

子供が生まれると、支出は年々増えるばかり。以後子育てが終わるまで支出が減ることはありません。

子供が生まれると、すぐに学資保険の契約を考える人がいます。でも本当に必要なのは保護者にかける死亡保障。独身時代から生命保険を見直していない場合は、すぐに再検討が必要です。

結婚直後からライフプランを考えてきたのであれば、子供が生まれても準備は万全。でも、実際のところそんな人はごくわずかです。大抵の家庭では、支出を切り詰めて対処します。

外食費、通信費などをどう節約するか。一つ一つは小さくても、まとまると大きなものです。細かく家計簿の見直しを行ってみましょう。

節約術を考えるときは「%」で考えましょう。金利に換算すると何パーセント得するか。常に意識することによって、預金金利をはるかに上回る利回りを達成できることでしょう。

どんなに切り詰めても、節約だけでは限界があります。そんなときには、最後の手段、転職という方法もあります。

長年積み上げてきた経験を、今こそ高く評価してもらうときかもしれません。30歳代はそれができる最適な年代です。

 楽しんで節約する。

4.コラム「家と教育」

住居費と教育費は家計の中でも大きな割合を占めます。

子供が出来て家が手狭になると、自然な成り行きで広い家が欲しくなりますが、住宅の購入は慎重に。子供一人の教育費で家が一軒建つと言われます。

また、住居を定めるとき、有力な公立学校がある地域かどうか、教育を重視するなら熟慮が必要です。賃貸物件、購入物件に関わらず、こどもが学校へ通い始めると、引越しは難しくなります。

周囲に適当な公立学校が無ければ、私立学校を選択するしかありません。私立学校の学費と家のローンを抱えることは、かなりの負担となります。子供が生まれる前には、ライフプランと併せて、住環境についてもよくよく考えることをお勧めします。

40歳代のライフプラン

40代は将来を見据えたライフプランを固める時期。独身、既婚と状況は様々ですが、定年後までを意識したプランを考え始めましょう。

1.教育費をよく考える

社会人生活もいよいよ折り返し地点。攻めるばかりではなく、守りを固める時期です。遥か彼方に感じていた定年がそう遠くでもなくなってきました。

40歳代の子育て世帯は教育費が右肩上がりに増加していく頃。30歳代からマネープランを練ってきた人はその貯えがここで生きてきます。

教育費は予想以上にかかります。子供一人にかかる教育費は家一軒分と言われます。最近は私立中高一貫校への進学がブームとなっているようですが、本当に可能な選択か、よく考えることが重要です。

せっかく進学しても、途中で学費が払えなくなる生徒が増えています。周りに流されず、身の丈に合った選択を心がけましょう。

残念ながら貯金がうまく出来なかった人も、子供の進学を諦める必要はありません。学費に充てるのであれば、奨学金という方法もあります。支給、貸与の条件は様々です。ご自身が利用できる状況かよく調べてみましょう。

教育ローンなどで借りることもできます。ただ、その場合には、金利や返済計画を十分に考えましょう。教育費とはいえ借金は借金です。

 40歳代は守りも意識する。
ライフプラン表で考える教育費 三人兄弟の受験事情

2.住宅をどうするか

若いころは賃貸でよいと思っていても、子供が大きくなり家が欲しくなるという場合もあるでしょう。

住宅をローンで買う場合には、返済できる期間も短くなってきました。40歳代ということは、すでに定年まで、十数年。頭金が十分に用意できれば、購入も可能ですが、難しい場合には、賃貸を前提にしたライフプランを考えましょう。

定年後まで支払うローンを組み、退職金で残金を返すこともできますが、退職金は第二の人生の大切な資金。できれば当てにしたくないものです。

住み慣れた土地にこだわらなければ、定年後、田舎に住むということもできます。リゾート地で格安物件を購入し夫婦で移り住むことも、今から準備できれば、定年後の楽しい目標になります。

独身の人は広い家を望むのでなければ、40歳代からでも住宅ローンを組んで家を購入することは可能です。

子供がいると、転校の問題などもあり、引っ越しもなかなか出来ません。その点、独身の人は自分の状況に合わせて身軽に行動することが可能です。

購入するときには、貸し出すことができる物件か、よく考えましょう。購入した住宅も自分の身を守る財産です。いざという時には貸し出して収入の一部にするということを想定すべきでしょう。余力があれば、複数の物件を購入して、将来に備えるということも出来るでしょう。

将来結婚して、購入した家に住まなくなるという可能性もあります。どのような場合でも対処できるような準備が身を守ります。

 買う前に、貸せる物件かよく考える。

3.資産運用の考え方

老後の貯えが少ない人は定年までに、大きく増やしたいと思うものです。特に今まで貯めて来なかった人は、しっかりと資産運用している人の話を聞くと焦りを感じることでしょう。

しかし、資産運用にも知恵と経験が必要です。ファイナンシャルプランニングについて基礎からしっかりと学びながら、徐々にリスクの高い商品について学習していくのが正しいやり方です。

何事も基礎を学ばずに高度なことを行おうとすると、失敗します。40歳代はまだまだ十分な学習の時間が残されています。定年までの時間を有効に使って、これからの人生を考えるプランを練ってみましょう。商品の選択はそれからでも決して遅くはありません。

 慌てずに、基礎からしっかりと学ぶ。

4.コラム「老後の医療費」

高齢化社会となり、医療費の増加が問題視されています。そんな社会的背景もあり、最近「長生きリスク」のための商品の人気が高まっています。その中の一つが保険会社の販売する医療保険。

ひとくちに医療保険と言っても内容は様々です。大きく分けると二種類、終身型と定期型があります。終身型は一生涯保障するタイプ。定期型は期間を決めて保障するタイプ。通常医療保険は入院日数分の保険金。また一手術あたりの保険金などが基本的な保険金として支払われます。

40歳代で新規に医療保険への加入を考え試算してみると、総支払い保険料分の保険金を受け取ることは、基本的には難しいということがわかります。

かつての終身医療保険の場合には、加入時期と年齢によっては、支払った保険料が将来解約した時にほぼ全額戻ってくるようなものもありました。

過去にこのような商品に加入していたのであれば、解約せずに持ち続けるのが良いでしょう。

医療費は公的な健康保険制度の対象となります。民間保険会社の医療保険は健康保険を補完する商品です。加入時には本当に自分に必要なものかどうか、よく検討を重ねましょう。

50歳代のライフプラン

50代は定年後を見据えたライフプランを考える時期。定年後には社会人生活に匹敵する長い時間が待っています。定年後を充実させるために、今から準備を始めましょう。

1.定年後を具体的に考える

今までの経験を生かし存分に活躍できる50歳代。仕事に夢中になることは大切ですが、定年後のことも具体的に考えなければなりません。

定年後は限られた収入、資産の中で実現可能なライフプランを立てる必要があります。やりたいことがあっても、マネープランが準備できなければ、夢が夢で終わります。そのためには、定年後に行いたいことを、今から少しずつ始めてみることをお勧めします。

例えば、海外旅行。旅行費用は想像以上にかかるものですが、今から旅を始めると、自分の求める旅の予算が具体的にわかります。その分、定年後のマネープランニングも具体的になるというわけです。

またパソコンを使ったインターネットによる情報収集は、何をするにも欠かせません。特にマネープランを考える上でネット銀行、ネット証券は大変便利です。

仕事でパソコンに触れる機会の少なかった方は、今から趣味、コミュニケーション、マネープランのためにインターネットやメールの使用をお勧めします。

 少しずつ始めてみる。

2.おかねの準備

定年前後で大きく変わるのが収入。たいていの場合、定年後の収入は減るものです。貯められるのは定年までの期間。残された時間はそれほどありません。

50歳代は堅実にリスクを冒さないことを心がけるべきです。従って運用は固定金利商品を中心に考えます。以前から株や投資信託などで、変動金利商品の運用経験を積んだ方でも比較的リスクの少ない固定金利商品に比重を移していくべきでしょう。

インフレリスクに対応するために、一部変動金利商品に預けることもできますが、定年後に大きく目減りするリスクは避けたいもの。くれぐれも、商品の選択は慎重に考えましょう。

 固定型を中心に、堅実に。

3.住宅をどうするか

賃貸住宅に住んでいる人は、今後の拠点をどこに置くか、心に決める時期でしょう。定年になり、仕事上の人間関係が無くなると、住んでいる地域とのつながりが今以上に重要となります。

ある程度の年齢になると、民間の賃貸住宅では入居を断られるケースもあるようです。部屋を購入するか、公営住宅に住居を定めるか、判断を迫られる方も出てきそうです。

田舎暮らしを始めるのであれば、今から家探しを始める必要があります。定年までは便利な場所の賃貸住宅に住み、休日は時間をかけて候補地選びにあてると思えば夢も広がります。中には田舎で喫茶店やレストランを経営したい方もいるかもしれません。そのような場合には、より早い準備が必要となります。50歳代を助走期間として、有効に使うことが大切です。

 終の住処の目星をつける。

4.夫婦で協力

パートナーのいる方にとって重要なのが、定年後の関係です。二人の関係がうまく行くように、今からパートナーと共通のプランを持つことをお勧めします。

特に仕事人間で家庭を顧みなかった人は注意が必要です。定年に向けて準備を一緒に行うことによって、リタイア後の生活が楽しい期待できるものになります。同じ夢を持てば、同じ目標に向かってマネープランも組み立てられます。マネープランニングを通して、夫婦の絆を確かめることもできそうです。

 パートナーを今まで以上に大切にする。

5.コラム「田舎暮し」

定年後の田舎暮らしにあこがれる人が増えています。また、最近は都会と田舎の二重生活に関心が高まっています。

軽井沢のような有名別荘地を除けば高級車一台程度の価格で手に入る不動産は意外とあるものです。

休日になると、観光地は観光客で混雑し、住んでみると騒々しく落ち着かないものです。都会の喧騒から離れて静かな自然を楽しむのが目的であれば、有名別荘地にこだわる必要はないでしょう。

地方自治体の中には、過疎化対策で積極的に他地域からの移住を受け入れているところがあります。特にこだわりの場所がなければ、そんな自治体に相談してみるのも一つの方法です。

暮らしの拠点を移す場合、気になるのがその地域の医療体制です。最近は地域の拠点病院が、経営難から閉鎖されるケースもあるようです。また、日用品、食料品が近くで購入できることも重要です。

都会と田舎の二重生活は両方の良い点を満喫できます。時間が自由になる定年後には、理想的なライフスタイルと言えそうです。

60歳代のライフプラン

1.人生の棚卸し

会社員であれば、その生活もいつか終わりを迎えます。定年というゴールを身近に感じ始めたら、その先に待っている新しいスタートに向かって準備を始めましょう。自営業の人も、ゴールを意識した準備が必要になる時期です。

まず行うべきことは、今までを振り返ること。つまり人生の棚卸しです。そのために役立つのがライフイベント表です。お持ちであれば、手元の表をもう一度見直してみましょう。お持ちでなければ、ぜひこれを機会に作成してみてください。

定年後の準備というと、定年時の手続きのことばかりに気を取られがちです。しかし、一番重要なのがこの振り返りの作業です。自分にとって大切なことは何か。それを見据えた上で進む方向を定めましょう。

定年後の準備であれば、自分の生まれた年から始まるライフイベント表を作ってみてはいかがでしょう。今までの体験をその中に書き込んでみると、自分の歴史が一枚の年表となって俯瞰できます。経験を一つ一つ書き加えることによって、半生を振り返ることができます。

 今までを振り返り、残りの時間を考える。

2.終わりを意識する

60年分の年表が出来上がると、その先には白紙の人生が待っています。そしてふと考えます。終わりはどこだろう。

ライフプランニングをしていく上で、たいていのライフイベントは時期がはっきりしています。例えば、子供が生まれると独り立ちするまでのスケジュールがおおよそ想定できます。そして学校や塾に、いつどれくらいの費用がかかるのか、ほぼ計算できます。

しかし、人生の終わりがいつなのかは、わかりません。目の前のライフイベント表のどこかにその終点はありますが、その時は誰にもわかりません。

人生の終わりにかかる費用を計算して、その準備ができれば、周りの人に迷惑をかけることもありません。それらを一通り考えてみたら、あとは自分の夢の実現です。早速計画を立ててみましょう。

 迷惑がかからないように準備して、好きなことに集中する。

3.どんな時に幸せを感じるか

夢の実現と言われても、具体的に考える機会はなかなかありません。ところが、ライフイベント表を作成してみると、自分に残された、この限られた時間に気づくことができます。特に、毎日を仕事に追われていると、自分の人生を振り返る余裕などありません。

しかし、この表を準備することによって、自然と人生の始まりと終わりを考えることになります。

夫婦で、家族で、両親と、またはひとりで、このライフイベント表を前に、楽しかったこと、苦しかったこと、さまざまな思い出を話しあってみてはいかがでしょう。

定年後の充実した毎日は、自分にとって何が幸せか、を知るところから始まります。

 夢を夢で終わらせない。

4.資金計画をたてる

自分にとっての幸せの形が見えてきたら、次にその幸せを具体的に書き出してみましょう。どんなことでも自由に思いついたものを書き出してみてください。はじめはぼんやりしていても、書いているうちに具体的な夢になってきます。

やりたいことを書き出してみると俄然退職後が楽しみになってきます。そして、その夢を実行するためには資金計画を立てる必要があります。そのためには定年後の収入と支出のシミュレーションを行う必要があります。

定年退職後も再雇用などで仕事を続ける方もいますが、ほとんどの場合、収入が減ることと思います。

定年までに貯めることができた資金と退職金を大切に守りながら、生活を支えてくれる年金をうまく組み合わせて試算してみます。

 使えるお金を知っておく。

5.収入に合せた生活

まずは生活のリストラクチャリングです。必要なものと不要なものを切り分けて、不要なものは思い切って捨ててみましょう。

不要なものを考えるときには、つい身近な小さなものに目が行きますが、効果があるのは、金額の大きなもの。

住まいを大きなものから小さなものへ。街中から郊外へ。更にはリゾート地へ。また郊外から都会の小さなマンションへ、と考えられる方法は様々です。

家族が独立した後は、車のサイズも再検討できるかもしれません。環境対策車、軽自動車への変更など、車種を考慮するだけでも、車の維持費が大きく変わります。

小さな無駄も積み重なると大きな金額になります。大から小へ。家計のリストラクチャリングを進めてみると、ダイエットに成功した時のような達成感が得られます。ぜひ家計のダウンサイジングへ大ナタを振るってみてください。

 小さな生活を心がける。

6.コラム「定年後のおかね」

資産を運用して、財産を増やしたい。退職金でまとまった資金を手にすると、ついそう考えたくなります。しかし、老後の資金を、金利変動性の高い商品で運用することはお勧めできません。

老後の資産運用は着実に減らさないことを中心に考えましょう。大きく増える可能性があっても、同じだけ減る可能性もあるのです。もしも運用に失敗して、資産を減らした場合、受けるダメージは、若い時の比ではありません。

また、若い時に加入した生命保険があれば契約内容の確認をしてみてください。商品によっては、定年の時期に合わせて、特約や保険料に変更があるかもしれません。気がつくと保険が切れていた、という事態は避けたいものです。

定年後の保険加入は非常に困難です。加入できるとしても一般的に高い保険料が必要となります。

定年後のライフプラン

1.退職前の準備

定年まで十年を切ると、退職後の生活を意識するようになります。まだ先と思ってはみても、着実にその日は近づいてきます。

まず大切なのは、お金の準備。年金は生活を支える大切な柱ですが、それに加えて、十分な資金があれば、余裕を持った生活を送ることができます。そのためには、貯金を習慣化するように心掛けたいものです。

貯金の習慣ができれば、次は無駄な支出の見直しです。定年後に合わせて、年金と貯蓄で賄える支出がどれくらいなのか、事前に試算してみましょう。

子供にかかっていた学費などは、独立の時期を迎え必要がなくなります。しかし、一方で親の介護費用など、今までは不要であった費用などがかかるようになってきます。収入が減ってから起きることなので、先を見据えた準備をする必要があります。

そのためには、今の収入が減ることを想定した上で、生活の規模を縮小し、その差額を将来に備えて、積み立てるように心がけることが大切です。

 退職前から支出を減らした生活をする。

2.定年前の運用

積み立てを始めると、積極的な運用をしたくなる人もいるでしょう。しかし、定年前の運用には注意が必要です。

定年が近づいてきたら、できるだけ堅実な資産を選ぶ必要があります。働く期間が残り短いということは、損をした場合に、老後の資産を失うことになるからです。

借金のある人は、早めに返済をしていくことが大切です。収入に余裕があるうちに少しでも返しておくことが、老後の安心を生み出します。

 早めに借金を減らしておく。

3.退職金の活用

退職金は、会社員生活の最後にもらえる、大きなプレゼントです。住宅ローンの残債がある場合、この退職金で返済を考える人も多いことでしょう。

住み慣れた我が家でも、ローンが終わらなければ、本当の意味での自分の家にはなりません。

退職金は完済する大きなチャンスです。ローンを全額返済し、退職後の新しい生活を新しい気持ちで始めるのもよいかもしれません。

また、移住を考えている人は思い切って住宅を手放すのも一つの方法です。住宅を売って、ローンを返し、残った資金と退職金で、郊外やリゾート地、郷里に移住して生活するということもできるかもしれません。

 今の住まいを手放すのもひとつの方法。

4.定年後の運用

定年退職までに、十分な貯蓄ができた人、定年後も仕事のある人、そんな恵まれた人は、引き続き今までと同じ消費生活を続けそうです。

しかし、一般的に退職後の収入は、一時的に増えることはあっても徐々に減ります。大きく使わず、大きく増やそうとせず、減らさないように、今あるものを守る。そんな姿勢を崩さないように、生活することが大切です。

 大きく増やそうとしない。減らさない。

5.ボランティアに生きる

現役時代は収入と仕事が直結していましたが、定年退職後のボランティアはやりがいを中心に考えることができます。

自分が身に着けた知識や経験を社会に還元し貢献できる。このような機会が得られた人は、退職後も生き生きと充実した生活を送られているようです。

同窓会や地域のボランティア活動、交通安全運動、清掃活動など、貢献できることは数多くあります。知人に誘われてなんとなく始める場合も多いようですが、退職前から関わりを持っている場合が多いようです。

定年退職を意識するようになったら、自分の出来そうなことに少しずつ参加をしていくと良いかもしれません。

 人のために生きること。

6.コラム「リゾート地での生活」

定年退職者に人気なのが、リゾート地に別荘を持つ二重生活です。

今までの生活を大切にしながら、時々別荘で過ごす。現役時代には忙しくてできなかった田舎暮らしを、都会での便利な生活を続けながら楽しむ人が増えています。

バブル経済の時代に各地のリゾート地で建てられた中古のリゾートマンションが現在格安で売られています。地域によっては、中古車と同じくらいの値段で購入することができます。

戸建別荘の場合、庭木などの手入れも大変ですが、リゾートマンションであれば、管理会社が維持管理をしてくれるため、高齢になっても負担が少ないようです。